福岡5歳児餓死 ママ友“ボスは見たことない” 捜査段階と裁判で食い違う証言 8日に求刑へ 

2022年09月07日

2020年に福岡県篠栗町で当時5歳の男の子が餓死した事件、母親のママ友の裁判員裁判は9月7日に7回目を迎えました。

一貫して無罪主張を続けるママ友に、検察側から本格的な追及が行われました。

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◆被告人質問
弁護側「碇家への食料の提供は自発的?」
赤堀被告「『きつい』というのは聞いていたので、私の気持ちで最初は持って行っていました」

2020年4月、篠栗町で当時5歳の碇翔士郎ちゃんが餓死した事件ー。

起訴状などによりますと、無職の赤堀恵美子被告(49)は、生活全般を支配していた母親の碇利恵被告(40)に指示して、翔士郎ちゃんに十分な食事を与えずに死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われています。

赤堀被告はさらに「夫が浮気をしている」などと碇被告に様々な嘘を吹き込み浮気の調査費用などとして、あわせておよそ200万円をだまし取ったほか、碇被告の預金通帳を盗んだ罪にも問われています。

今回で7回目となる赤堀被告の裁判員裁判。

7日の午前中は、これまでと同様、弁護人から赤堀被告への質問で始まりました。

◆被告人質問
弁護側「碇被告の通帳を預かってお金引き出すようになったいきさつは?」
赤堀被告「碇から『仕事でお金下ろす時間ないから下ろしてきとって、引き落としがあったらいかんけん、朝イチで行って』と言われた」
弁護側「碇被告にお金返した?」
赤堀被告「やりました、返しました」

裁判の争点は、赤堀被告による「支配」が本当にあったのかどうかー。

今年6月の碇被告への判決では、赤堀被告が碇被告を支配下に置いて行われた犯行だったことが認定されましたが、赤堀被告は裁判で完全な無罪主張を一貫して続けています。

翔士郎ちゃんが死亡した時の体重は、5歳児の平均のほぼ半分の10.2キロ。

碇被告の主張によると、亡くなる間際には、赤堀被告の指示で翔士郎ちゃんにあわせて2週間以上も食事を与えられなかったといいます。

弁護側から、亡くなる1カ月ほど前の翔士郎ちゃんについて聞かれた赤堀被告は突然、涙を流しました。

◆被告人質問
弁護側「翔士郎ちゃんの体を見て感想は?」
赤堀被告「びっくりしました。初めて体を見て…すごく…(涙を流しながら)小さくなっていて、細かったので…。ショックでした…」
弁護側「その時、碇被告と話はした?」
赤堀被告「その時、私は『何しよると?』と言いました。『食事あげてるのになんでこんなんなっとーと』と言いました」
弁護側「碇被告は?」
赤堀被告「無言でした」

さらに、5日の裁判で元夫が証言した碇被告の長男と次男の伝言ー

◆碇被告の子供達からの伝言
「僕たちは指示されて、ろくに食事も与えられず、長い間苦しい思いをした。母親の言っていることが真実だから」

この内容について弁護側から問われるとー

◆被告人質問
弁護側「子供からの伝言、どう思った?」
赤堀被告「子供は『そう言うだろうな』と思った」
弁護側「なぜ?」
赤堀被告「碇は碇の子供に、私を怖い存在で植え付けていた。子供が『私のことを怖い』と言ってるのは知っていたので、あの文面で違和感はない」

不機嫌な様子の赤堀被告は、かなり早口で証言しました。

7日午後からは、検察側から赤堀被告へ本格的な追及が始まりました。

検察側が尋ねたのは「ボス」の存在です。

碇被告によると、赤堀被告は金銭を要求する際、ヤクザの元妻とされる第三者の「ボス」を登場させていたとされます。

これまでの裁判で、赤堀被告はボスと呼ばれる人物は碇被告が持ち出してきた存在で、「面識はない」と主張してきましたがー

◆被告人質問
検察側「ボスについて見たことは?」
赤堀被告「ないです」
検察側「捜査段階で『ボスに会ったことある』と話してない?取り調べで話した?」
赤堀被告「はい」
検察側「ボスのこと見たことないんじゃないの?この話、なに?」
赤堀被告「人違いでした、後で聞いたら」
検察側「会ってもないのに具体的に話してる、これ嘘ですね」
赤堀被告「嘘…?」
検察側「人違いと分かって訂正してないよね?」
赤堀被告「聞かれてないので言ってない」

さらに検察側の追及は続きます。

碇被告が赤堀被告に内緒で携帯電話に残していたメモについて質問が飛びました。

(碇被告の携帯電話のメモより)
『3月19日 今日も朝から言われた ほんと毎日毎日きついよ 翔士郎も叩かれ殴られ、罵声』

◆被告人質問
検察側「接触してる方はあなたじゃないの?違うの?」
赤堀被告「私以外に、誰と会っていたか分からないので」
検察側「“翔士郎を叩いて”についてはどう?」
赤堀被告「違います」
検察側「でも具体的に、他に言える人いないでしょ?」
赤堀被告「分かりません」

さらに、検察側は赤堀被告が美容室につぎ込んだ金額についても指摘しました。

◆被告人質問
検察側「志免町の美容院、2年間で80万円使った。違う?」
赤堀被告「言われた金額の中には、私がシャンプーを買ったりとかも入っていると」
検察側「それだけお金があった?」
赤堀被告「兄弟からも親からも助けてもらうことが多かったので、いけてました」

裁判は9月8日に論告求刑が行われ、9月21日に判決が言い渡されます。

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