2021/01/07 21:30
福岡県内コロナ感染者 9500人分の情報流出 管理の甘さが露呈 元感染者を取材
福岡県の新型コロナ感染者約9500人の個人情報が、インターネット上に流出していた問題。
県内の元患者からは管理の不手際を指摘する声が上がっています。
福岡県内でこれまでに確認された新型コロナ感染者の9割に相当する約9500人ー。
その氏名や居住地など大量の個人情報がインターネット上に流出し第三者が閲覧できるようになっていたことが、6日に明らかになりました。
あってはならない個人情報の漏えいに、福岡市内に住む元感染者の男性はー。
◆福岡市内の元感染者
「なんで流出するのかというのを見直した方がいい。(感染したことは)知られたくない、周りからなんて言われるか分からない」
さらに別の元感染者の男性はー。
◆福岡市内の元感染者
「世間的にばい菌扱いじゃないけど、(当時は)そういったことをされるのかと不安もあった」
「県自体もすごく大変だと思うけど、かかっている僕らからするともう少ししっかりした管理を徹底してほしい」
なぜ、感染者情報は流出したのか?
福岡県では2020年4月から感染者情報をファイル共有システム「グーグルドライブ」でネット上にアップし、医療機関の関係者などが入院先を調整する際などに閲覧できるようにしていました。
管理の徹底が求められる個人情報をクラウドサービスにあげていたことが「ネット上への流出」につながりました。
◆県の担当者
「職員ではない方と情報共有が必要になるということで、どうしてもわれわれ行政のコミュニケーションシステムの中でそれをやるのは難しい」
URLが外に漏れたら誰でも見れるというリスクがある認識はあった?
「こういった状況は想定していなかった」
問題が発覚したのは2020年11月末。
県の調整本部の医療関係者が、県外の男性に感染者情報に関するメールを誤送信していました。
メールを受け取った男性は県に対してすぐにその事実を電話で指摘しましたが、情報が閲覧できる状態は1月6日まで1カ月あまり続いていました。
◆メールが届いた男性
「ファイル名とか件名を伝えたら心あたりがあったようで、苦笑いみたいなリアクションで。URLを貼ったら誰でも見れてなおかつ人の生き死にに関わっているデータなので、とんでもないことになったのではないか」
情報が流出した状態が続いたことについて、県の担当者はー。
◆県の担当者
「我々としては見れない状態にした11月30日時点で処理を行った。その後、どういう状態であちら側がどういう状態で見れるかは分からないので、その情報を認知していなかった」
情報管理の甘さが露呈された形となった今回の問題。
県は今後、感染者の個人情報のやり取りについては、FAXや電話を使うと共に情報が流出した対象者全員に謝罪する方針です。
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