2021/04/06 20:15
成長の喜びの一方… コロナで深刻さ増す “ひとり親家庭”の経済的困窮 その現状は? 福岡県
長引く新型コロナの影響で一人で、子供を育てる、いわゆる「ひとり親家庭」の経済的困窮が深刻さを増しています。
入学・進級が重なる春は、苦悩をさらに深める季節となっているようです。
◆一般社団法人umau.中村路子さん
「こちらがフードバンクさんなどから頂いている食材の場所になります、子ども食堂などで使ったり、必要な方に届けています」
久留米市にある子育て拠点「じじっか」。
市内やその周辺で暮らすひとり親家庭の生活を支援する活動を行っています。
100組以上の家族が利用していて様々な相談も受けていますが、1年以上に及ぶコロナ禍で、ひとり親家庭の経済的な苦しさは時間が経つにつれ深刻さを増しているといいます。
◆一般社団法人umau.中村路子さん
「ミルクが買えない家庭で赤ちゃんを育てていて基本的にはお金がないという声もたくさんある。(仕事が)激減して給与が低くなってしまったので仕事を変えないといけなくて、辞めざるを得なかったとか」
そうしたひとり親家庭の経済的負担がより一層増すのが、この春の時期です。
「じじっか」を利用している山崎久美子さん。
4年前に夫と死別し、いまは4人の子供と孫1人と暮らしています。
その山崎さん、この春、次女と三女がそれぞれ中学校と小学校に入学します。
◆山崎久美子さん
「中学生になったら部活をやりたいという気持ちがあると思うんです。部活によって買わないといけないので、そこら辺も調節しながらの生活」
行政からの給付金は全て貯金に回しましたが、育ち盛りの子供たちをかかえての生活は食費や光熱費がかさみ、その貯金を毎月切り崩さざる得ないと話します。
◆山崎久美子さん
「子供のやりたいことはやらせてあげたいので、自分ができる限り節約して物品を買ってあげたいと思う」
成長の喜びを実感する一方、ひとり親家庭にのしかかる春の出費。
じじっかでは、入学や卒業を迎えたひとり親家庭の負担を減らす活動も行っています。
◆樋口由恵さん
「これですね、息子の卒業式の時に借りた」
この春、1人息子が中学生になった樋口由恵さん。
中学校の制服やカバン体操服など、学用品の購入費用は10万円ほどでした。
コロナ禍で収入が減り、卒業式の衣装まで手が回らない中、じじっかで借りることができる子供用のスーツを利用することで、無事、息子の晴れ舞台を迎えられました。
「この1回に、レンタルするにも買うにもすごくお金がかかる、すごく助かりました。(春は)結構な金額が出て行くので、その出費と家計のバランスが難しい」
いまだ収束しないコロナの現状にどこまで耐えることができるのか、不安と厳しさを感じています。
◆樋口由恵さん
「(コロナが)いつ終わるのか分からない、多分一苦労どころじゃない、このまま続けてずっとってなると結構厳しいですね」
最新のローカルニュース