2022/05/12 19:30
交通違反の75歳以上 運転技能検査を義務付けへ 不合格なら免許更新不可 福岡の交通事故の現状は
母親と幼い娘が犠牲になった東京・池袋の暴走事故を教訓にした、法改正です。
改正道路交通法が13日に施行され、交通違反のあった高齢ドライバーに運転技能検査が義務付けられることになりました。
◆教官
「赤信号の時は停止線の手前で完全に停止してください。その際も、車の先端が少しでも停止線を越えてしまうことのないようにしてください」
指導員の指示に従って、走る・止まる・曲がるといった運転操作を行うドライバー。
福岡県警が公開した高齢者の「運転技能検査」のデモンストレーションです。
13日に改正される道交法によって、交通違反をした75歳以上のドライバーは、この検査に合格しないと運転免許の更新ができなくなります。
改正の狙いは、高齢ドライバーの事故防止。
福岡県警によると、2021年、県内で起きた交通事故はおよそ2万件。
全体の3割近いおよそ6500件が高齢者が関わる事故で、その7割近い4400件あまりが、高齢ドライバーが原因となった事故でした。
◆福岡県警 運転免許試験課 坂田正臣 課長補佐
「加齢に伴って身体能力が落ちて、運転能力が低下するということがあります」
年齢による心身の衰えが要因の交通事故。
ところが、従来の道交法では、75歳以上のドライバーは指導員が同乗して行う技術指導を受けさえすれば、技能の如何に関わらず免許の更新が可能でした。
しかし今回の法改正で、過去3年以内に信号無視や速度超過などの交通違反があった高齢ドライバーは、運転技能検査に合格しないと免許を更新できないことになりました。
安全運転の技能を見極めるこの検査では、一時停止や右左折など6つの項目が確認されます。
なかでも特徴的なのが、「段差乗り上げ」のチェックです。
◆教官
「前タイヤが段差の上に乗ったら、すぐにブレーキですね」
試されるのは、段差に乗り上げた瞬間にすぐにブレーキを踏めるかどうか。
アクセルとブレーキの踏み間違いやシフトレバーの入れ間違いで起きる事故を防ぐための、最も重要な項目です。
全6項目をチェックして、合計点が70点以上であれば安全な運転ができると判断され、ようやく免許の更新が許されます。
◆福岡県警 運転免許試験課 坂田正臣 課長補佐
「運転技能検査を受けた方については、自身の運転について自覚していただいて、今後の安全運転を心がけていただきたいと思います」
運転技能を見極めて事故の抑止を目指す、今回の法改正。
高齢ドライバーを巡る現状の改善につながるのか、成果が注目されています。
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