ソフトバンク千賀、ボークで失点 負傷後初の2軍戦「収穫という感じない」も前向き

2021年06月23日

◇ウエスタン・リーグ ソフトバンクー阪神(23日・タマスタ筑後)

  左足首の靱帯(じんたい)損傷から復帰を目指すソフトバンクの千賀滉大投手(28)が負傷後初めて2軍戦のマウンドに上がり、先発で2回2/3を投げて4安打2失点(自責点1)だった。

 今季初登板だった4月6日の日本ハム戦で負傷。長いリハビリを経て6月17日の3軍戦で約2か月半ぶりに実戦復帰し、中5日で迎えた2軍戦だった。

 最速は実戦復帰した前回3軍戦に続いて158キロ。しかしこの日は変化球で空振りが取れないなど球数がかさみ、初回だけで35球を要した。3回途中でこの試合のめどだった80球に到達。ボークによる失点もあり、最終的に走者を残したまま84球で降板した。

 「自分のやりたいこと、試している部分もある中で、今日は良くない方向に出てしまった。常日頃試しながらやっているので、思うところもある。自分の中で(この)結果を踏まえて(次回へ向けて)試していきたいなと」

 試している部分は具体的には「フォームの中での話。細かいところ」だという。実戦復帰2度目の登板の収穫を問われると「うーん…」と考えて、こう答えた。

「そんなに収穫という感じもないけど、球数を放ったり1イニング放ったりした後でもそれなりにスピードを出そうと思えば出せる状態だった。コンディションの部分には不安をもっていないので、あとは自分ができることをしっかり見つめ直すこと」

 患部を固定している期間が長く、固定具が外れてから実戦復帰までのペースが劇的に早まったようにも映るが、実際には「予定通り」だという。前半戦の1軍の試合は残り3週間余り。球宴前にエースが帰ってくるのか、注目が集まる中でも本人はいたって冷静だ。

 「どれだけ自分のやろうとしていることとボールが一致してくるか。今のボールで1軍にいったときにどうなのか、まだまだやることはたくさんある。そこを自分でどう直していくか」

 投げることに関しての問題はなくなり、残る作業は1軍マウンドに立てる状態まで精度を高めること。いずれにしてもエースの復帰への道のりは最終段階に入っているといえそうだ。
 
(取材=米多祐樹)

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