お盆前に和菓子店がピンチ 「おはぎ」「らくがん」にも値上げの波 材料費高騰「かなり痛い」 福岡県

2022年07月28日

サムネイル
見た目も華やかな和菓子。

特におはぎは、お盆のお供えとしても親しまれています。

需要が高まる時期を迎えている中、折からの原材料の高騰で和菓子店は厳しいやりくりを強いられています。

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爽やかな緑にナッツをあしらったピスタチオ餡に、アジサイに見立てたブルーベリーの「おはぎ」。

北九州市小倉南区にある和菓子店「菓匠きくたろう」には、少し変わった「おはぎ」がそろっています。

◆記者リポート
「こちら、見てください。色とりどりですごく見た目も華やかでかわいいですよね。食べるのがもったいないくらいなんですが、早速いただきます。すごくさわやかです。あんことブルーベリーの組み合わせははじめてなんですけど意外と合うんですね!」

お盆やお彼岸の定番のお供えとしても親しまれている「おはぎ」ですが、最近、ある問題に直面しているといいます。

◆菓匠きくたろう 山田啓玄さん
「和菓子は特にお砂糖をよく使うので、値上がりはかなり響きます」

輸入コストの増大で、和菓子作りには欠かせない砂糖が値上がりしているのです。

砂糖の卸値は昨年末、約40年ぶりの高値となりましたが、そこからさらに5%から10%値上がりする見込みだということで大きな痛手となっています。

さらに「おはぎ」になくてはならないこちらの原料もー。

◆菓匠きくたろう 山田啓玄さん
「小豆は値上がりの理由は違うけど、1袋あたり3000円程上がっている」

高騰の主な原因は産地・北海道の天候不良ー。

去年から値段が上がり始めたため、今年2月に全ての商品を5%値上げせざるを得ませんでした。

止まらないコストや原材料の高騰に節約と我慢の経営が続いています。

◆菓匠きくたろう 山田啓玄さん
「自社で努力して、なるべく値上げをしないように考えている。フードロスをなくすとか、いかに効率よく作るとか、色んなことを駆使してやってます」

砂糖高騰の影響は、こちらのお供えにも及んでいます。

◆記者リポート
「実はこちら、仏前にお供えする『らくがん』です。今はこんなにカラフルでさまざまな大きさのものがあるんです」

日本一の山・富士山をイメージした供え物。

200色もあるという色鮮やかな「らくがん」はどこか高尚な雰囲気を醸します。

福岡県福智町にある工房ではお盆に向けて「らくがん」作りがピークを迎えていますが、原材料の値上がりに頭を抱える毎日です。

◆楽心堂本舗 大井知子さん
「(砂糖は)1キロ169円だったのが195円になってます。(1カ月で)150キロ使うので結構大きいのは大きいですね」

砂糖に加えて、片栗粉やらくがん粉、さらには梱包資材まで、あらゆる原材料が値上がりしているといいます。

中でも値上げ幅が大きいのが着色に使う「色粉」です。

これまでは100グラムあたり約3500円でしたが、今年4月以降は約5500円に値上がりしています。

◆楽心堂本舗 大井知子さん
「びっくりしました。かなりこれは痛いので、1年分の使用分を値上がる前に仕入れて対策を練りました」

お盆のお供えにまで及んだ値上げの嵐ー。

お盆が迫る中、収まる気配はまだまだ見えないのが実情です。

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