中洲“女みこし”3年ぶり復活 スナックのママ「活気を」 コロナで“敬遠された街”を経て 福岡市

2022年10月31日

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九州最大の繁華街、中洲で秋の風物詩「女みこし」が3年ぶりに復活。

コロナ禍で苦境に立たされ続けた「担ぎ手」たちがみこしに込めた思いとは?

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九州一の歓楽街、中洲。

28日(金)と29日(土)、秋の風物詩「中洲まつり」が3年ぶりに開催されました。

この祭りの最大の名物とされているのがー。

法被姿の女性たちがみこしをかつぐ「中洲國廣女みこし(なかすくにひろおんなみこし)」です。

35年前、男性だけが参加できる博多祇園山笠に負けられないと、中洲で働く女性たちによって始められました。

新型コロナの影響で2年連続中止を余儀なくされていましたが、「女みこし」も3年ぶりに復活。

取りまとめるのは、女みこし委員長の高瀬奈美さん(47)です。

高瀬さんは、女性たちだけでみこしを担ぐ一体感に魅了され、20年以上、祭りに参加し続けてきました。

◆中洲國廣女みこし 委員長 高瀬奈美さん(開始前のあいさつ)
「今年は参加者が少ないです。みこしは1基だけ出します。みなさんに本当にきつい思いをさせるかもしれませんけど、ケガがないようにしていきますので、ご協力お願いします」

高瀬さんは、中洲の一角でスナックを経営しています。

中洲で働き始めて20年以上。

コロナ禍で「夜の街」は感染源の1つとして敬遠され、度重なる休業要請や時短要請で、かつてない苦境に立たされました。

◆中洲國廣女みこし 委員長 高瀬奈美さん
「お客さんたちが戻ってこない状態がずっと続いていたので、他に仕事どうしたらいいんだろう。先が見えなさすぎて、辞めるべきか続けるべきかを悩みましたね」

感染拡大が落ち着きつつある中で今回、3年ぶりの開催が決まった「女みこし」。

今年は「特別な思い」があるといいます。

◆中洲國廣女みこし 委員長 高瀬奈美さん
「今からやっと日常に、来年に向けて明るい中洲に戻るために、少しでも手助けに華やかな『みこし』をしたい」

一方で、心配なこともー

◆中洲國廣女みこし 委員長 高瀬奈美さん
「無事に感染対策をして、みこしが奉納できるかという心配が大きい。担ぎ手の人数も少なくしてるし、マスク着用というのは息苦しくなるという心配が」

不安を抱えながら迎えた、「女みこし」の本番。

みこしの総重量は500kg以上です。

感染対策のため、参加者は全員マスクを着用。

さらに、担ぎ手の数を例年の4分の1に減らしたため、1人1人にかかる負担は大きいものになります。

それでもー

女性たちだけの力で「みこし」を見事に担ぎ上げました。

◆担ぎ手の掛け声
「ソイヤ!ソイヤ!」

高瀬さんも、安全に気を付けながら、先頭に立ってみこしを力強く誘導します。

◆高瀬さん
「いーい?いくよ!」

コロナ対策のため、恒例の台上がりはなかったものの、中洲の街に「女みこし」の威勢の良い掛け声が響き渡ります。

◆参加者
「3年ぶりに担げてものすごく楽しいです。3年分の思いを『ソイヤ!』に込めました」

◆参加者
「中洲を盛り上げていきたいという気持ちがあるので、見てくださった方が元気になればいい」

◆見物客の女性
「女性だけだけど、男性に負けないくらいパワーを感じて素敵でした」

◆見物客の男性
「人と人のつながり、触れ合いが見られるのはすごくいいことだな、と思いました」

感染対策をしながらの開催でしたが、誰1人けがすることなく、約2時間半かけて中洲の街を練り歩きました。

◆高瀬さん(初日終了のあいさつ)
「初日無事に終わりました。手を入れて(手締めで)終わりたいと思います。お疲れ様でした」

◆中洲國廣女みこし 委員長 高瀬奈美さん
「本当にありがたいですね、みなさんのご協力のたまものだと思っています。中洲に来られるお客様への謝恩なので、これをきっかけに少しでも足を運んでいただけて、活気づけばといいます」

3年ぶりに夜のネオン街に繰り出した女みこし。

中洲の街は、一歩ずつコロナ前の姿を取り戻そうとしています。

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