公用車に2090万円「センチュリー」は違法 知事に購入費全額請求 山口県に命じる判決 

2022年11月02日

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山口県が公用車として2090万円の最高級車を購入したのは、果たして適切だったのか?

11月2日、注目の判決が言い渡されました。

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磨き上げられ、上品に光る黒の車体。

フロント部分に取り付けられた鳳凰のエンブレムも、誇らしく堂々とした佇まいです。

トヨタの最高級車「センチュリー」です。

高級感あふれるこの車、駐車している場所をよくみると「公」という文字が書いています。

実はこの車、2020年8月、山口県が公用車として購入したもので、その価格は「2090万円」です。

なぜ、2000万円超えの最高級車を買う必要があったのか?

当時の県の担当者はー

◆山口県の担当者(当時)
「皇族の方、海外の要人など、来賓を迎えるにあたってはセンチュリーがふさわしいという判断です」

しかし、2090万円の高級車を公費で購入したことについて県民はー

◆山口県民
「そんな無駄遣いをすることないと思います」

◆山口県民
「結局、議員が使うことになっちゃうんですよね、皇族用といっても」

◆山口県民
「もうちょっと違う子供のこととかに(税金を)使って欲しい」

そんな中、「県の判断は納得できない」と行動を起こした1人の男性がいました。

元山口県職員の松林俊治さん(75)です。

◆元山口県職員 松林俊治さん
「山口県政に警鐘を鳴らしたくて住民訴訟をやっている。村岡知事はそのお金を県に返してくれ、県財政に返してくれと、自分のお金からね」

松林さんは、去年2月、山口県を相手取り、村岡知事に購入費の全額を請求するよう求める住民訴訟を起こしました。

最高級車の購入が適切だったかどうかが争われた今回の裁判。

2日、注目の判決の日を迎えました。

<山口地裁>
◆記者リポート
「開廷まで1時間を切り、松林さんが山口地裁に到着しました」

2日の判決で、山口地裁の裁判長はー

◆山口格之 裁判長
「被告(山口県)は村岡嗣政(知事)に対し2090万円を請求せよ」

山口地裁は「他の車種について全く検討せず、当然にセンチュリーと決めて購入した」「あまりにも検討が不十分だったと言わざるを得ない」と指摘。

知事の裁量権を逸脱した財務会計上の違法行為と認定し、原告側の全面勝訴となりました。

◆元山口県職員 松林俊治さん
「本当に最高の判決が出ました。税金は人が豊かになるように、そのような県政、そういう風な知事になってもらいたい」

原告側は、公用車購入を巡り、自治体の違法性を認める判決は異例としています。

今回の判決について山口県民はー

◆山口県民
「庶民から見たら、ちょっと贅沢というか無駄」

◆山口県民
「お金を返されるなら、返された方がいいんじゃないですか」

◆山口県民
「我々の一般常識として、知事がそれだけのことを勝手にやる権限は持っていないと思う」

山口県の村岡知事はー

◆山口県 村岡知事
「今回の判決については正直驚いています。納品される直前に報告を受けたわけですが、裁量権の乱用というところがですね。関係者に確認したいと思います」

山口県は、判決の中身について精査し、今後の対応を検討するとしています。

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