“墨汁”事件から1カ月 振り袖を無償提供 20歳女性が念願の家族写真 「本当にありがたい」 北九州市

2023年02月13日

サムネイル
1月、北九州市で相次いだ振り袖を汚される事件。

「二十歳の記念式典」から1ヵ月以上がたち、被害にあった女性がようやく家族との記念撮影を果たすことができました。

2月12日、北九州市の松柏園ホテルを訪れていたのはー

◆リサさん(仮名)
「楽しみ、うれしいです」

北九州市に住む二十歳のリサさん(仮名)です。

この日を待ち遠しく思うのにはワケがありました。

それは1月8日、北九州市で開かれた「二十歳の記念式典」の帰り道でのことでした。

◆リサさん(仮名)
「(振り袖を)直そうと思って見たときに、下の方に墨みたいな汚れがついてて」

これはリサさんが被害に気づきスマートフォンで撮影した振り袖の写真です。

墨汁のような液体が袖にかけられ、足袋にまで流れ落ちていました。

レンタルした振り袖は2年前から予約していたお気に入りで、費用は約30万円だったといいます。

◆リサさん(仮名)
「一生に一度の成人式だったので本当にショックで仕方なかったです」

黒い液体をかけられたのはリサさんだけではなく、ほかにも10人が会場周辺で同じ被害にあったと警察に届け出ていました。

警察は1月、防犯カメラの映像などをもとに、リサさんとは別の女性に黒い液体をかけた器物損壊の疑いで、北九州市若松区の会社員・平井英康容疑者(33)を逮捕しました。

捜査関係者によりますと、平井容疑者は否認から一転、容疑を認めていて関係先からは「墨汁のようなもの」が押収されたということです。

「一生に一度の晴れ舞台」が台無しに。

リサさんは家族との記念撮影も果たせず落ち込んでいましたが、そこへ思いがけない連絡が入りました。

◆リサさん(仮名)
「別のお着物でよかったら、もう一度着させていただけるという話を頂いた」

リサさんに振り袖を貸し出していた松柏園ホテルが、別の振り袖を無償で貸すと提案してくれたのです。

◆松柏園ホテル 副支配人 川俣日登美さん
「お客様自身が自分で何かしたことではないわけですから、きちんと対応できる、カバーできるような態勢というのを一番に考えましたね」

ショックから一転、家族との記念撮影が実現する日がやってきました。

そしてー

◆リサさん(仮名)
「色も違いますし、髪の毛も違う風にしていただきました」

選んだのは桜が舞うピンクがベースの振り袖です。

緑色のアクセントもリサさんの好みにぴったりでした。

◆リサさん(仮名)
「緑で迷っていたのもあったので、緑を選ぼうかなと思っていたので選べてうれしかったです」

2度目の振り袖姿を改めて家族に披露します。

◆リサさんの母親
「あー、でも表情ちょっと硬い。でもうれしそうです。もう一回できてよかったなと思います」

1カ月後に実現した家族との記念撮影。

無償で振り袖を貸し出したホテルの副支配人も、この表情です。

◆リサさんの母親
「本当にうれしいの一言ですかね。もう一回着れたっていうのもうれしいですけど、娘の笑顔が見れたからそれだけでうれしいです」

◆リサさん(仮名)
「本当にうれしい、本当にありがたく思います」

人々の優しさに包まれたリサさん。

二十歳の記念式典で止まっていた心の時計の針が、再び動き始めました。

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