福岡県の公示地価 全用途9年連続で上昇 「博多駅前3丁目」「鳥飼5丁目」など七隈線延伸開業も影響

2023年03月22日


全国の土地の価格が22日に公表され、福岡県では住宅地や商業地など全ての用途で価格が上昇しました。

土地取引の指標とされる今年1月1日時点の土地の価格「公示地価」。

県内では、933地点のうち749地点で価格が上がり、住宅地・商業地・工業地の全ての用途で9年連続で上昇しました。

このうち、住宅地の最高額は41年連続で福岡市中央区大濠1丁目の1平方メートルあたり97万円。

引き続きマンションの品薄状況は続いていて、住宅地の上昇率は県全体でも全国2位の4.2%上昇となりました。

不動産市場にとって大きなトピックとなったのが、日銀による事実上の利上げ。

年末に日銀が大規模な金融緩和策を一部修正したことで、住宅ローン金利にも影響が出るのではと懸念されていますが、専門家に尋ねるとー

◆不動産鑑定士 高田卓巳さん
「マイナス金利政策は続いているので、大きな変化は不動産市場には出てきていない。売れているからといって、今後高くなった土地価格と建築費用を転嫁した販売価格で売って、今後も消費者がついてきてくれるかっていうのは少し注意する必要があるのかなと」

こうした中、街に大きな変化をもたらすのが、3月27日に控えた地下鉄七隈線の延伸開業です。

天神と博多との間、約1.4キロを新たに結び、各駅から博多駅までの移動時間は14分ほど短縮されます。

博多駅前のオフィスエリアはその利便性を織り込み、天神に次ぐ県内2位の地価を付けました。

(博多駅前3丁目:1平方メートルあたり800万円)

さらにー

◆記者リポート
「福岡市内でも特に大きな上昇率を見せたのが城南区です。中でも七隈線の別府駅の周辺は延伸の効果もあって、その上昇を後押ししました」

ファミリー層はじめ住宅街として人気の高い城南区の別府駅周辺。

七隈線の延伸で天神・博多へのアクセスが向上することから、区役所にも近い鳥飼5丁目の地価は去年より14.9パーセントも上昇しました。

(城南区鳥飼5丁目:1平方メートルあたり54万円)

◆不動産鑑定士 高田卓巳さん
「マンション用地の需要が引き続き堅調であることと、七隈線が博多駅につながることが影響して、今回高い上昇率になっている」

さらに、堅調な伸びを続けるのがオフィスエリアです。

福岡市中央区天神の旧天神コア跡地周辺は、1平方メートルあたり1130万円と県内最高額を維持。

しかし、天神ビッグバンによるオフィスの供給が増える一方で、成約の動きは鈍化しています。

オフィス仲介業大手の三鬼商事が公表する天神地区のオフィス空室率も、供給過剰の目安とされる5パーセント前後で推移しています。

ただ、空室が増え、一時的に賃料が調整されても、中長期的に見れば安定収入が得られると投資家が福岡に期待していることから、全国トップの地価上昇率となりました。

◆不動産鑑定士 高田卓巳さん
「中長期的視点から福岡市に投資したいという投資家・デベロッパーは多い状態が続いている。積極的な施策を行政が行っているところが一番大きいのではないか」

福岡都市圏の成長が後押しした今年の地価。

建設中のビルが今後続々と完成していく中で、福岡の地価はこれから新たな局面を迎えそうです。

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