福岡銘菓に“卵ショック” 「博多通りもん」「博多の女」一部販売休止 土産需要増えるGWまで1カ月

2023年03月29日


福岡を代表する銘菓のひとつ「博多通りもん」。

4月下旬には土産物が売れるゴールデンウィークを迎えますが、たくさん作りたくても“作れない”困った問題に直面しています。

柔らかい皮に包まれた上品な甘さの白あん。

福岡土産や贈答品として人気がある「博多通りもん」です。

観光客が大勢訪れるゴールデンウィークが1カ月後に迫るなか、県内のさまざまな店で買うことができた博多の銘菓が、いま思いもよらない事態に見舞われています。

◆リポーター
「JR小倉駅の土産専門店です。本来ならばこちらに『博多通りもん』が並んでいるんですが、販売休止のお知らせが貼られています」

「博多通りもん」を製造・販売する明月堂は、北九州地区での販売を3月19日から休止。

現在、福岡都市圏だけでの販売になっているため、店を訪れた人からは「博多通りもん」がないか1日100件ほど問い合わせがあるといいます。

◆おみやげ街道ビエラ小倉店 久家真弓 店長
「『博多通りもん』をめがけてくるお客様が多くて、反応はやっぱりさみしいと聞いています」

さらに-

◆リポーター
「こちらのサイトでは普段ネットショッピングを利用できるのですが、博多通りもんは『販売一時見合わせ中』と赤い文字で書かれています」

「通りもん」はオンライン販売でも3月10日から取り扱いを休止しています。

販売の再開時期については未定だということです。

福岡土産として人気の「通りもん」がなぜ手に入りにくくなっているのか。

その理由は「原料の卵不足」です。

高病原性鳥インフルエンザの全国的な感染拡大で、ニワトリ約1704万羽が殺処分の対象になりました。

採卵用のニワトリでは飼育数の11.6%を殺処分したことになり、卵の確保が困難になったことで、「通りもん」も生産数の維持が難しくなっているのです。

◆買い物客
「そうなんだ、残念。福岡だと『博多通りもん』おいしいじゃないですか。会社に買って帰ろうかと思ったんですけど」

◆買い物客
「子供がいる家庭にも買っていっていたので、なくなったら何を買っていいやら」

卵不足の影響はほかの福岡銘菓にも及んでいます。

しっとり柔らかなバウムクーヘン。

その中には優しい甘みの小豆ようかん。

半世紀もの間、人々に愛されてきた「博多の女(ひと)」です。

ゴールデンウィーク期間中だけでも約1万5000箱を売り上げる定番の博多土産ですがー。

◆二鶴堂 佐賀工場 丸内寛子 工場長
「お客様に食べていただきたいし、手に取っていただきたいが、作ることができない」

その理由はやはり卵不足。

二鶴堂では2月以降、卵が必要とする量の半分しか確保できなくなったため、「博多の女」の生産数も半分に減らさざるを得ない状況です。

4種類の味のうち、一部商品はネット販売を休止したり、詰め合わせボックスのみで販売したりしています。

さらにー

◆二鶴堂 橋本由紀子 社長
「もともと観光土産品専門でやっていたので、お客様がお土産として買う機会だけは守りたいということで、売り場を限定しています」

ショッピングセンターなどへの卸を制限する代わりに、駅や空港など観光客が多い土産店向けに商品を確保しています。

二鶴堂では、現在製造している全ての商品で卵を使用しているため、今後は卵を使わない商品の開発も検討しています。

◆二鶴堂 佐賀工場 丸内寛子 工場長
「夏場が猛暑になると、鶏が死んでしまい、さらに卵の量が減るという悪循環が起こりうる。1年経つとまた鳥インフルエンザが流行る時期が来てしまうので、そこで再来したらどうなるのだろうっていう不安はあります」

土産需要が増えるゴールデンウィークまであと1カ月。

卵ショックをどう乗り切るかの模索が続いています。

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