5~6月の体育祭「体にとって良くない」 医師も警鐘 気温上昇・多湿…“体温調整難しい” 【福岡】

2023年06月02日

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体育祭シーズンを迎えていますが、こうした中相次いでいるのが、熱中症の疑いによる緊急搬送です。

6月1日も体育祭の練習中に高校生23人が熱中症の症状を訴え、病院に搬送されました。

この時期になぜ熱中症となるのか、取材しました。

◆記者リポート(1日)
「糸島農業高校の校舎前には続々と救急車が到着し、搬送作業が行われています」

1日、福岡県糸島市の糸島農業高校で体育祭の練習中に起きた生徒の熱中症。

緊急搬送された23人のうち、17人が中等症、6人が軽症だったということです。

生徒たちが体育祭の練習をしていた1日午前11時ごろの糸島市の気温は26度。

気温はそこまで高くありませんでしたが、一方で、湿度は80パーセントと蒸し暑く、汗が蒸発しにくい状況だったとみられています。

体育祭の練習での熱中症疑いは、ほかの学校でも起きています。

5月17日には福岡県久留米市で体育祭リハーサル中の中学生7人が熱中症の疑いで救急搬送されています。

このところ熱中症疑いが相次いだ体育祭の練習。

かつて、体育祭は主に秋に実施されていました。

しかし、現在秋に実施しているのは全体の半分ほどで、ゴールデンウィーク明けに実施する学校が増えています。

◆福岡県教育庁 体育スポーツ健康課 甲斐田修 課長補佐
「生徒の発達段階を考慮し、学校が創意工夫をするなど、各学校において年間指導計画を作成することになっています。開催時期は学校によって異なると考えております」

秋は台風などで日程変更を余儀なくされたり、受験シーズンも近づいてくることなどから、比較的気候が安定し、日程が組みやすい1学期に体育祭を実施する学校が増えているということです。

そうした中で1日、高校で起きた熱中症疑い。

なぜ多くの生徒が搬送されてしまったのでしょうか?

◆福大病院救命救急センター 石倉宏恭 センター長
「高校生といえども大人になる移行時期なので、体温調整もまだ完成されていない。暑いところで十分に体温調整が出来ず、体も慣れていない。そういう状況が重なって、熱中症の集団発生に繋がったのではないか」

また医師は、体がさらに未発達な小学生や中学生はもっと熱中症にかかるリスクは高いと指摘します。

◆福大病院救命救急センター 石倉宏恭 センター長
「5月下旬から6月、梅雨に入る前の時期は明らかに昔に比べて気温も上がっていますよね。ジメジメとした湿度で発汗しにくい状態である。この時期に(体育祭を)やるのというのは、体にとっても良くないだろう」

医師も警鐘を鳴らすこの時期の体育祭。

子供の健康を第一に考えれば、時期を見直す必要があるのかもしれません。

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