実験「火にアルコールを投入」の危険性 一瞬で“背丈ほどの炎” バーベキューで18歳死亡 福岡・柳川市

2023年06月09日

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福岡県柳川市の専門学校で行われたバーベキューで4人の男子生徒が死傷した事故。

消毒用アルコールは着火用に理事長が使い、その後、火が消えかかったコンロに教師が投入したことで事故が起きたことが新たに分かりました。

バーベキュー中のアルコール使用がどれだけ危険か、消防の協力を得て実験を行いました。

◆川崎キャスター(9日)
「学校の駐車場には職員のものとみられる車が止まっていますが学生の出入りは一切ありません」

事故があった柳川市のハリウッドワールド美容専門学校。

7日から臨時休校になっていて、9日も学校に生徒の姿はありません。

学校の裏手には、バーベキューコンロによる焼け跡が今も残っています。

この学校では5月下旬、生徒など約480人が参加したバーベキューで、火が弱まったコンロに20代の男性教師が消毒用アルコールを加え、生徒4人に炎上した火が燃え移って、6月6日に18歳の男子生徒1人が死亡しました。

人災ともいえる今回の事故をめぐり、新たな事実が分かりました。

◆川崎キャスター
「今回のバーベキューでは、なんと学校の理事長が自ら消毒用アルコールを使い、火起こしをしていました」

学校側によりますと、60代の男性理事長は事故当日、バーベキューを始めるために自ら消毒用アルコールを使い、12台のコンロに火を付けていたということです。

◆記者リポート
「消毒用アルコールなんですが、しっかりと火気厳禁と書かれています」

消毒用アルコールを火に近づけることがどれだけ危険なのか。

福岡市消防局の協力を得て実験しました。

炭で火を起こしたバーベキューコンロ。

ここにアルコール度数77度の消毒用アルコールを、まず霧吹きでかけてみるとー。

火は少し横に広がりますが、大きく立ち上ることはありません。

しかし、ボトルからそのままアルコールを投入するとー

◆記者リポート
「霧吹きでアルコールをかけたときとは比にならないほど大きな炎が燃え上がっています」

火は大きく燃え上がり、実験にあたった消防隊員の背丈ほどの高さまで上りました。

実験で見られたのは赤い炎でしたが、今回の事故では学校側が「青い炎」だったと証言しています。

青い炎はどういうときに見られるのでしょうか。

◆消防隊員
「(青い炎は)あまり考えられないけど、アルコール濃度が高いと激しい燃焼につながる。アルコール濃度が95%の場合、(青い)激しい炎になる」

濃度が高い消毒用アルコールを使って起きたとみられる今回の事故。

学校側はTNCの取材に対し、危険性は認識していたとした上で、そのために理事長が自ら火をつけ、生徒はコンロから離して対応したとしています。

さらに最初に火を起こしたあと、アルコールは片付けるよう指示したということですが、アルコールは片付けられることなく、事故は起きてしまいました。

6月中旬にも第三者委員会を設置するという学校側、警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査しています。

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