60年以上前の白黒写真もカラーに 思い出が“生まれ変わる”専門店 AIに頼らず手作業で 福岡市

2023年06月13日

サムネイル
思い出の1枚を鮮やかによみがえらせてくれる専門店が福岡市にオープンしました。

レトロな車の前でポーズを決める親子。

1960年代に福岡市の中洲で撮影された1枚です。

これがー

車は鮮やかなグリーンに、男の子が着ている服はイエローにー

白黒写真がカラー写真へと生まれ変わりました。

さらに、1971年に春日市で撮影された写真。

これがー

親子が乗る自転車や背景のビルが色彩豊かに再現されました。

古い白黒写真をカラーに変えたのは、今年3月に九州産業大学の大学院を修了した伊藤晃生さんです。

大学院時代に白黒写真の修復やカラー化を研究していて、その専門店を福岡市東区にオープンしました。

▼モノカラ 伊藤晃生 代表
「家族が写した写真や、ご先祖が写した写真をカラー化して楽しんでもらえる。そういったことを提供したい」

▼モノカラ 伊藤晃生 代表
「拝見いたします。写真館で撮られたお写真ですね」
▼来店客
「結婚式で料亭で撮ったって母が言っていた」

この日は、亡くなった祖父母の写真をカラーにしてほしいという依頼です。

振り袖を着た女性とスーツ姿の男性が少し緊張した面持ちで映っているこの写真は、1962年に撮影されたものだといいます。

▼来店客
「遺品整理をしている時にたまたまきれいな状態で結婚式の時の写真がでてきたので、せっかくこういうサービスがあるからきれいにしてもらおうかなと。すごい楽しみです」

白黒写真をAI=人工知能によってカラー化する技術はすでに広く知られています。

しかし、大学院時代に研究を続けてきた伊藤さんは、AIには頼らず、編集ソフトを使って全て手作業で色をつけていきます。

その理由は-

▼モノカラ 伊藤晃生 代表
「AIでカラー化してしまうと、どうしても最後まで色が塗られていなかったり正確な色ではないということがほとんど。なので、こういったことがないようにいろんな調査をした上で色を再現しています」

AIでカラー化した写真と、伊藤さんが手作業で色を付けた写真。

見比べると、伊藤さんのカラー化の方が自然に色が再現されています。

伊藤さんは、当時のファッションや撮影された場所などをインターネットや本で調べるほか、時には専門家に話を聞くなどして色を決めているといいます。

数日後ー

出来上がったのがこちら。

新婦の振り袖は華やかに彩られ、新郎のネクタイは豪華な金色に。

絨毯や床の間まで鮮やかなカラーになって生まれ変わりました。

完成した写真を受け取りに来た客はー

▼来店客
「すごい」
▼モノカラ 伊藤晃生 代表
「おそらくこの色だったかと思います」
▼来店客
「すごい、きれい!」

▼来店客
「白黒で見るのとイメージが全然違う。華やかな結婚式の雰囲気が伝わって、祖父母のことを考えるタイミングになりましたし、より身近に感じられてうれしい」

▼モノカラ 伊藤晃生 代表
「ご先祖がどんな時代を生きたのか、昔の日本や世界はどうだったのか、色を付けて深く知っていただく機会につながればいい。家族とのつながりを強める時間にしてもらえたらと思います」

思い出が詰まった昔の写真を鮮やかに蘇らせてくれるサービスは、家族とのつながりや当時の暮らしに思いを馳せるきっかけになりそうです。

NEWS
ニュース

ニュース記事一覧をみる

SPORTS
スポーツ

スポーツ記事一覧をみる

GOURMET
グルメ

グルメ記事一覧をみる

GO OUT
おでかけ

おでかけ記事一覧をみる

LIFE
生活情報

生活情報記事一覧をみる

ENTERTAINMENT
エンタメ

エンタメ記事一覧をみる

FEATURE
特集

特集記事一覧をみる

ECONOMY
地域経済

地域経済記事一覧をみる