3日は福岡県内各地で11月の観測史上最高の気温となりましたが、この暑さで影響を受けているのが農家です。
「夏日」が続き、困惑する声が上がっています。
3日の福岡市中央区の最高気温は27.2℃、福岡市博多区で27.6℃。
平年より6℃ほど高く、3日連続の夏日です。
強い日差しに、日傘をさす人や半袖姿の人もー。
11月なのに、街にあふれるのは夏の光景です。
この季節外れの暑さに頭を抱えているのが、福岡県久留米市の白菜農家です。
▼農家 田中彰治さん
「巻きが弱いでしょ?葉が広がっていますね、やっぱり暑さの関係」
Q.本来だったら?
▼農家 田中彰治さん
「葉がしまっている」
これから旬を迎え、冬の鍋に重宝される白菜。
寒さから身を守ろうと、葉っぱに蓄えられたデンプンをブドウ糖に変え、甘みを増していくのが特徴ですが、長引く暑さと雨不足で葉の巻きが弱く、小玉での出荷を余儀なくされています。
▼農家 田中彰治さん
「普通は3キロぐらいある。(これは)1キロ500グラムあるかな。(本来は)まだ大きくなる。去年に比べて小さいです」
この暑さの影響は、同じ葉物野菜のキャベツやタマネギにも及んでいます。
そして、例年はあまり発生しない害虫被害も出ているといいます。
▼農家 田中彰治さん
「葉っぱ食べているでしょ?食べていますね。完全に虫です」
この暖かさで動きが活発化しているのか、全体の1割から2割ほどが被害に遭っているということです。
一方で、こんな恩恵も…
▼記者リポート
「例年であればこの時期は実らないオクラですが、こちらでは大きな実を付けています。これから大きくなる実も出てきています」
通常であれば、10月中旬頃に収穫を終える夏野菜のオクラ。
しかし11月に入っても実を付けていて、出荷できています。
▼農家 田中彰治さん
「これは恩恵ですね。異常気象だと感じる。野菜にとっては寒さが大事です」
11月を迎えても「残暑」と呼びたくなるこの暑さ。
向こう1カ月も例年に比べ高い気温となる見込みで、農家にとって、気をもむ日々が続きそうです。