“大麻グミ”「流行っている」 福岡の販売店でも売り切れ 専門家「学習記憶障害が出る」 国が規制へ

2023年11月20日


大麻をめぐっては、類似した成分を含む、いわゆる“大麻グミ”を食べた人が救急搬送されるなど問題となっています。

取材を進めると、“大麻グミ”は福岡でも広がっている実態が明らかになりました。

福岡市・天神の警固公園にいた人たちに、“大麻グミ”について聞いてみるとー。

Q.“大麻グミ”を見たことは?
◆警固公園にいた人
「ありますね」

Q.どこで見た?
◆警固公園にいた人
「地元で知り合いが持っていた」

◆警固公園にいた人
「僕の友達の知り合いというか仲間が、クッキーやグミは持っているというのは知っているし、周りでは流行っている」

福岡の若者たちの間でも広まっているという“大麻グミ”。

大麻に含まれ、幻覚作用を及ぼすとされる「THC」に似た成分「HHCH」が含まれ、東京や大阪で大麻グミを食べた人が相次いで体調不良を訴え問題になっています。

実際に“大麻グミ”を使用したことがあるという男性はー。

◆“大麻グミ”を使用した男性
「お酒を飲みすぎた時の酩酊感をイメージしてもらったら分かりやすいかなと」

Q.初めて食べるとどうなる?
◆“大麻グミ”を使用した男性
「初めてで耐性がない人がいきなりグミを食べちゃうと、グルングルンになると思います」

そう話す男性が見せてくれたのは、“大麻グミ”と同じ成分「HHCH」が入った「リキッド」。

吸引して使用するといいます。

Q.吸ったらどんな状態に?
◆“大麻グミ”を使用した男性
「一番はリラックス。僕の場合は、睡眠とかも良くなってご飯がおいしくなるとか、言い出したらきりがない。単純に気持ちいいからというのもある」

Q.(購入可能な)店舗はいろいろなところに?
◆“大麻グミ”を使用した男性
「店舗はどこにでも、全国にあると思いますね。あとはインターネットとかツイッター(X)だったりとか、入手方法はいくらでもある」

実際にSNSで検索してみるとー。

◆川崎キャスター
「その問題の“大麻グミ”なんですけど、〇〇福岡博多店と調べてみますと、“大麻グミ”が販売されています」

「話題のグミ」とうたって“大麻グミ”を販売しているアカウントには、在庫が少なくなっているのか、在庫と書かれた文字の横には△のマークがあります。

取材を試みようとメッセージを送るとー。

<返信メッセージ>
『丁重にお断りさせて頂きます』

さらに、取材を進めると、“大麻グミ”を店頭で販売しているという店を発見しました。

◆川崎キャスター
「福岡市内にある商店街に来ています。家族連れも多いんですけど、この近くに“大麻グミ”の販売店があるようなんです」

福岡市早良区の西新中央商店街。

今年9月にオープンしたという店舗の中をのぞいてみると、“大麻グミ”に含まれる成分「HHCH」の文字がー。

さらに、この店のSNSを見ると、問題の“大麻グミ”に加え、同じ成分を含んだクッキーも販売しているとしています。

実際に店の中に入ってみると、“大麻グミ”は売り切れていましたが、同じ成分を含んだクッキーは今も販売されていました。

店員の女性がカメラなしという条件で取材に応じました。

◆店員
「10月に大麻グミを入荷してSNSに情報を上げたら、反響がすごく、1週間程度で売り切れました。生産が追いついていないということで、現時点では入荷の予定はありません」

さらに、店員に“大麻グミ”が問題になっていることについてたずねるとー。

◆店員
「こちらとしても『売れればそれでいい』とは思っていません。何でもかんでも規制すると、イタチごっこになり、より強い成分のものが出てきてしまいます」

そもそも、“大麻グミ”を使用することにどれだけの危険性があるのでしょうか。

◆福岡大学 薬学部 三島健一 教授(電話取材)
「幻覚が出てきたり、学習記憶障害が出てきたりする。口から接種する場合は、食べすぎたりするとオーバードーズになるという形になる。大麻関係は安全ではないと認識していただきたい」

厚生労働省は、東京都内の販売店で見つかったグミから、大麻の有害成分に似せて作られた成分「HHCH」を検出したと20日、明らかにしました。

これを受け、厚労省は20日からの週にも、「HHCH」を新たな指定薬物に指定する方針です。

指定薬物に指定されてから10日後に、所持・使用・流通がすべて禁止されます。

そして、取材した福岡市・西新の店舗に、今回の規制をどう受け止めているか聞いたところ、店員は「まもなく規制対象になると聞いたので、“大麻グミ”の仕入れをストップした。今後、“大麻グミ”を扱う店では在庫をさばくため、一斉にセールが始まるはず。例えば、1袋7000円が半額の3500円など。そうなると、規制前に使用したいと考えた若い世代が、安くなった“大麻グミ”を大量に買って過剰摂取し、これまで以上の健康被害が出てくるかもしれない」と話していました。

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