“経験したことないぐらい薬が足りない” タミフルや解熱剤…年末年始に深刻化 メーカー”出荷規制”も

2023年12月26日

感染症の流行が加速する中、薬不足がかつてないほど深刻化しています。

年越しに不安が広がる現場を取材しました。

26日朝、福岡市西区のクリニックです。

◆記者リポート
「発熱患者が車で検査を受けています。駐車場を見てみるとかなり埋まっていますね」

ドライブスルー形式の発熱外来には、午前中から多くの患者が訪れ、医師たちが対応に追われていました。

ある患者の検体を抗原検査キットで調べてみるとー

「インフルエンザ陽性」の判定が出ていました。

◆やまもとホームクリニック 山本希治院長
「今はちょっと多い。コロナやインフルエンザの方が、かなりうちの発熱外来に来ている」

26日午前中、このクリニックでは10人の発熱患者のうち6人がインフルエンザ陽性と診断されました。

福岡県内で12月11日から17日までの1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は、1医療機関あたり37.82人。

4週連続で「警報レベル」を超えています。

さらに子どもに多い感染症「溶連菌」も約4年ぶりに「警報レベル」となっています。

そして、年末年始を前に、いま最も懸念されているのがー

◆やまもとホームクリニック・山本希治院長
「年末年始になるので、お薬を欲しいと言われる方は『少し普段よりも多めにほしい』と言われる方がいるけど、薬を多く出せないのが現状。年内で場合によっては、薬が手に入らない状況が起こりそう」

「十分に薬が出せない」とはどういうことなのかー。

川崎キャスターが福岡市内の調剤薬局を訪ねてみると…。

◆川崎キャスター
「いま本当に薬が足りないということで、どれぐらい足りていない?」

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「薬剤師を15年ぐらいしているが、今まで経験したことないぐらい薬が足りない」

これまで経験のないという深刻な薬不足。

特に足りていないのがー

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「インフルエンザの薬、タミフルは小児によく使う薬ではあるが、タミフルがうちにはもう、ここにあるだけになっている」

この薬局ではインフルエンザの治療薬「タミフル」の在庫が、残り子供6人分のみ。

入荷のめどは全く立っていないといいます。

さらにー。

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「子供用で言うと熱を下げる解熱剤『カロナール』が、もうここに今あるだけ。これも5人分から10人分使ったら、この後なかなか入荷がないという状況」

2020年以降、一部の製薬会社の不祥事で薬の生産量は大きく減っていましたが、そこに今シーズン、インフルエンザなど感染症の急拡大が追い打ちをかけ、かつてない薬不足となっているのです。

薬品の卸業者の在庫状況を確認できるサイトを見せてもらうとー

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「今この『規制』と付いているものに関しては、メーカーの出荷規制がかかっている。実際に注文をしても手に入らないというものになる」

メーカー側が多くの薬品に関して「出荷規制」をかけていました。

このため、医師が処方した薬が薬局に無いケースも多く、急きょ、ほかの薬局に「借りに行く」こともあるといいます。

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「足りないものを各薬局で共有して対応はしているが…無いものは無い」

◆川崎キャスター
Q.「借りに行ってもないということですか?」

◆うさぎ薬局 小原昴士さん
「そうですね、近くの薬局で探すけど、それでも見つからないということは十分ある」

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