5歳児餓死 母親が最終弁論「“ママ友”に会ったことは人生で最大の失敗」 17日に判決 福岡地裁

2022年06月14日

2020年、福岡県篠栗町で、当時5歳の男の子に十分な食事を与えず餓死させた罪に問われている母親に対し、検察は懲役10年を求刑。

母親は最終弁論で“ママ友”に声をかけたことへの後悔、子供たちへの謝罪の気持ちを述べました。

起訴状によりますと、篠栗町の無職・碇利恵被告(40)は2020年4月、知人の赤堀恵美子被告(49)と共謀し、当時5歳の三男・翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。

いわゆるママ友だった赤堀被告は、“碇被告の夫が浮気をしている”などの嘘を言い、“ボス”と呼ばれる架空の人物を利用するなどして碇被告を支配していたとされています。

14日、福岡地裁で行われた論告求刑公判で、検察側は「被告人は被害者が低栄養状態であったことを認識しながら十分な食事を与えなかった」「生活を支配されていたとしても止めなかった」「対赤堀被告の前に対子供である事実を忘れてはならない」「子供が受ける苦痛を全く考えず、愛情とはかけ離れたむごい仕打ち」「主犯は赤堀被告であり、支配されていたとしても量刑を減ずる事情ではなく、子供を守る行動を放棄した」などとして、碇被告に懲役10年を求刑しました。

 一方、弁護側は「碇被告は赤堀被告に心理的支配を受け行動選択の幅が狭まった」と主張し、「家族や親しい人たちとの関わり合いの中で事実と向き合う必要がある」などとして執行猶予付きの判決を求めました。

このあと最終弁論で碇被告は次のように述べました。

◆碇被告
「翔士郎が亡くなったのは私の責任です」
「それだけです」

さらに弁護士に促され、用意していた手紙を読みあげました。

◆碇被告
「翔士郎が亡くなったのは私の責任です。それだけです。

私は今回、私が起こした事件を心から悔やみ、本当に反省しています。

そして私自身の身勝手な行動により、いろいろな人を巻き込んで反省しています。

赤堀(恵美子被告)の嘘を信じ翔士郎を守ることができませんでした。

一生、謝罪し続けます。

翔士郎を失ったことは私にとって何より辛いことで悲しいことです。

でも翔士郎が亡くなってしまったのは私の責任です。

長男と次男から弟を奪い、当たり前の日常を奪い、悲しい気持ちにさせてしまったのも私の責任です。

子供の母として情けないです。

3人の子供たちへ、本当に心から謝りたいと思います。

私は子供たちが大好きです。

とっても子供たちに会いたいです。

私の中では(子供は)ずっと長男、次男、翔士郎の3人です。

もう一度、私は子供たちの母親がやりたいです。

もしできるなら3人の子供たちの母親として、もう一度生きたいです。

あの日、赤堀に声をかけたことを後悔しています。

もしあのとき赤堀に声をかけていなければ、きっと今も家族5人で幸せに暮らしていたと思います。

赤堀に会ったことは人生で最大の失敗でした。

本当に出会いたくありませんでした。

これからは今までの自分を振り返り、1つ1つ反省し、謝罪の気持ちを持ちます。

供養もしていきます。

最後に翔士郎に伝えたいです。

翔、翔、ごめんね」

判決は17日に言い渡される予定です。

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