SNS上の「闇バイト」数秒単位でどんどん投稿 困窮した若者が安易に加担か 福岡県警が対策強化へ

2023年02月27日

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SNSを巡っては、高額な報酬をうたって犯罪の実行役を募る、いわゆる「闇バイト」が社会問題化しています。

経済的に困窮した若者が安易に応じるケースが相次ぐ中、福岡県警が犯罪の芽を摘む対策を強化しています。

福岡県宗像市のコンビニエンスストアに、一人の客が、携帯電話で話をしながら店を訪れました。

来店の目的は、「電子マネーカード」のようです。

客はカードを選び、店員に「3万円分の購入」を申し出ました。

すると店員はー

◆店員
「少し購入金額が高い気がします。使用目的を確認してもいいでしょうか」

実はこれ、「特殊詐欺の被害」を防ぐための訓練です。

店員は、被害の兆候を察知して警察に通報する流れをチェックシートで確認しました。

◆店員
「プリペイドカードの支払いは、詐欺被害のケースが多い」

◆宗像警察署 生活安全課長 大久保哲課長
「ニセ電話詐欺は年齢・性別は問わない。若い人や女性も被害にあっている。ぜひ皆様ご協力をいただいて、警察への通報をよろしくお願いします」

高齢者を中心に被害が後を絶たない「ニセ電話詐欺」などの特殊詐欺。

福岡県内の2022年1年間の被害額は9億2000万円以上と、前年を1億円以上上回っています。

増加の背景にあると考えられているのが「闇バイト」です。

SNS上に大量に投稿されている「高額報酬」や「簡単な仕事」などの誘い文句ー。

それに乗って応募した「闇バイト」の実行役が、事件を起こしていると見られています。

その実態について、過去に特殊詐欺に加担した経験のある男性はー

◆特殊詐欺の指示役として逮捕・服役した男性
「(知人から)『儲かる昼の仕事がある』ということで、『高級時計を付けてみたりできるよ』と。そこで行われていたことが融資保証金詐欺。最高月収で2000万円ですね」

特殊詐欺グループのリーダー格として逮捕され、懲役刑を受けた男性は、指示役にとって「闇バイトは切り捨て要員」、「一度手を出すと、個人情報などを奪われ抜け出せなくなる」と警鐘を鳴らします。

◆特殊詐欺の指示役として逮捕・服役した男性
「闇バイトに手を出すと“破滅”。加害者自身、加害者の家族、被害者、被害者の家族、全てを闇に落とします。それが闇バイト」

経済的に困窮した若者が手を出すケースが多いという「闇バイト」。

安易に犯罪に加担するのを防ごうと、福岡県警は対策を強化していて、今回初めて取材に応じました。

◆福岡県警の担当捜査員
「ニセ電話の“受け子”、“出し子”を募る可能性がある。短期間で高額な報酬をうたい文句としたSNS上の投稿を検索してます。数秒単位でどんどん投稿されてますね」

捜査員はSNS上で「闇バイト」の募集と思われる投稿をチェックしながら、「警告文」を投稿します。

福岡県警は2022年1年間に、約1800件の警告文を投稿していて、一定の効果をあげていると見られます。

今回の取材中も、警告文の投稿後10分ほどで変化が現れました。

◆記者
「これはどういう意味?相手が削除した?」
◆福岡県警の担当捜査員
「はい、(投稿が)削除されています」

◆記者
「これくらい送ったリプライ(警告文)に、すぐリアクションがある?」
◆福岡県警の担当捜査員
「はい。見てすぐ(相手が)反応しています」

被害が後を絶たない特殊詐欺への安易な加担を防ぐため、県警はこの春、SNS上での警告などを専門とする「予防対策係」を新設し、対策を強化する方針です。

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