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伸びる打球を背走キャッチ 逆転Vへ、ソフトバンクの可能性広げる「センター谷川原」

前半戦終了時点でシーズンは残り55試合。一戦一戦の重みが増していく中、日本ハム3連戦のオーダーに後半戦の戦い方の一端がうかがえた。
初戦で本塁打を放った松田が2、3戦目はベンチスタート。前半戦では状態が上がらなくてもスタメンから外されないケースも多かったベテランを下げ、三塁には栗原が入った。守備位置は外野、一塁がメインだった栗原が2試合続けて三塁でフル出場したのは初めて。相手の先発投手が右腕だったこともあるが、チームにとってのオプションだった「三塁・栗原」が今後の基本線となる可能性を示した。
外野にも変化があった。本塁打争いでリーグトップを走る柳田は中堅で先発した初戦で右膝に死球を受けながら先制ソロを放った。死球の影響が懸念された2、3戦目はいずれも右翼。中堅に入ったのは2戦目が周東、3戦目が谷川原だった。これまで周東が主に守ってきた二塁には故障離脱している間に三森が定着。打撃が課題の周東は復活をアピールするチャンスだったがここでは結果を出せず、3戦目は同じ左打者の谷川原が起用された。
本職が捕手で打力が売りの谷川原はファームで投手以外の全ポジションを経験しており、1軍デビューした前半戦では左翼か右翼がメイン。中堅では先発で1試合を守っただけだった。もっとも、五輪中断期間に行われたエキシビジョンマッチでは途中からのケースも含め中堅を守ったのが2試合。後半戦へ向けての準備を進める上での起用だったとみられる。
守備範囲の広さもあり中堅を守るのは簡単ではないが、練習から打球の追い方などを確認していた小久保ヘッドコーチは「センスがある」と注目。もともとファームでも強肩を含め外野の守備力には定評があり、2軍戦では右翼から三塁への矢のような送球も話題になった。後半戦最初の3連戦ではスチュワートがプロ初先発した3戦目、中堅左のフェンスまで伸びる打球を背走しながらジャンピングキャッチ。柳田の右翼起用が増え、右打者の真砂がいる中で新たな可能性を示した「中堅・谷川原」はオーダーを組む上で選択肢を広げる大きなアイテムといえる。
首脳陣がこうしたやりくりを模索するのも課題の打線強化のため。固定したオーダー、あるいは若手を試しながら余裕を持って戦う時期は過ぎたと言ってよく、ここから先は上位との差を詰めながら最終的にトップでゴールしなければならない。今回の日本ハム3連戦は周東、谷川原、さらには新戦力で初戦から2試合続けて「2番左翼」でスタメン起用されたアルバレスも無安打に終わった。首位オリックスとのゲーム差は前半戦終了時の4からわずかに詰めて3・5(17日現在)。右手指故障のグラシアルの離脱が想定以上に長引いている中、1、2軍の入れ替えを含め現状のメンバーでいかに得点力を上げていくかが問われる後半戦となりそうだ。
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