「クソっと思いながら、その中に愛情があった」ソフトバンク甲斐が振り返る工藤監督との日々

2021年12月22日

 ソフトバンクの甲斐拓也捕手(29)が退任した工藤公康前監督(58)への感謝の思いを語った。プロ初のスタメンで起用され正捕手として飛躍した2017年から今季まで5年連続でゴールデングラブ賞。恩人に鍛えられた日々を振り返りながら、知られざるエピソードも明かした。

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 甲斐が工藤監督と初めて話したのはまだ2軍で鍛えていたころだ。強肩を武器に2013年オフに育成選手から支配下入りも、14、15年と1軍出場はそれぞれ1試合だけで打席はなし。15年に就任した工藤監督がファームの練習を視察に訪れた際が初の接点だったという。

 就任1年目の15年にいきなりリーグ優勝、日本一を達成した工藤監督だが、翌16年は日本ハムに逆転で優勝をさらわれ日本シリーズ進出も逃した。チームが覇権奪回を目指す中、17年から扇の要に抜擢されたのが甲斐だった。主力の東浜や千賀とバッテリーを組み結果も残し始めていたシーズン中盤、工藤監督に呼び出された。

 「僕自身も慣れてきたところがあったころ。良い慣れではなく、どこかで余裕を出していたところがあった。そういう時に監督室で話をさせてもらった」

 工藤監督の下で正捕手として飛躍した甲斐にとって、財産となっているものがある。18年から始まった「交換日記」だ。試合や練習で感じたことをその日のうちにつづり、工藤監督がチェックする。「僕が書いているところにちょっとでも疑問があったら”?”マークとともに『何でなんだ? なぜそう思ったのか、なぜそうしたのか?、と書いてもらっていた」。そのやりとりは、いまや球界を代表する捕手となった甲斐の成長曲線にも重なる。

 「ノートも財産ですけど、それ以外にも遠征先の部屋で3、4時間話をさせてもらったりした。野球とは、野球は何のためにやるんだと、今年もたくさん話をすることがあった。これは、これからも間違いなく財産になる」

 レベルの高い厳しい要求も選手、チームのためを思えばこそ。それが理解できたからこそ「クソっと思うことがあったのは事実」と振り返りながらも、甲斐は耳を傾け、多くのことを吸収した。

 「めちゃくちゃ厳しかったけど、その中に愛情があった。1人の人間、社会人、野球人としてたくさん教えてくれたのも、キャッチャー甲斐拓也をつくってくれたのも工藤監督だった」

 就任7年でリーグ優勝3度、日本一5度という輝かしい実績の裏で工藤前監督はどんなことを考えていたのか。そして、どんなものをチームに残したのか。番組の中だけで甲斐が明かしたエピソードなども交え、TNCテレビ西日本は特別番組「不器用な監督 工藤公康の7年」を31日午後4時45分から放送する。

 (プロデューサー・江坂透、山本泰明/ディレクター・内藤賢志郎、安枝遼、城大瑛)

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