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ソフトバンク田上が明かすデビュー戦秘話 19歳の好投を支えた「松田さん」と「おっちゃん」
大阪・履正社高ではもともと外野手だったが3年時の6月に本格的に投手へ転向。実績がほとんどない中で最速151キロを計測し、ソフトバンクは潜在能力の高さに期待して支配下で指名した。入団1年目のオフに育成契約となったものの、キャンプからアピールを続けた今年は2軍の開幕投手に抜てきされるなど急成長。今月7日に支配下へ返り咲くと、5日後の1軍初舞台で堂々の好投を披露した。
「投げる前は緊張していたけど、マウンドにいったらそこまで緊張せず自分が思っていたより落ち着いて投げられた。今の自分のレベルからすると満点と言った方がいいと思います」
マウンドで真剣に打者と向き合う姿とは対照的に、ベンチへ戻る際やバックが攻守で盛り立ててくれた際の無邪気な笑顔も話題となった。そんなデビュー戦の支えとなったのが、この試合で一塁を守っていた大ベテランだ。
「松田さんが毎イニング、投げる前にマウンドに来てくださって、ものすごく助かりました。『作戦はなし!』みたいな声を毎回掛けてくださった。おかげで、笑顔で投げることができました」
スタンドで見守っていた叔父でソフトバンクOBの田上秀則さんからは試合後に「めちゃくちゃカッコよかった」と声を掛けられたという。小、中学校時代、野球の指導を受けた時には普段の優しい顔が一変。「センスがない」と叱咤されるなど厳しい思い出も多かっただけに、今回の絶賛の言葉が持つ重みをしみじみとかみしてめいる。
「おっちゃんにはあまり褒められることがなかったのでうれしかった。厳しくされたけど、そのくらい言ってもらったから今がある。大阪からわざわざ見に見てくれてうれしかったし、おっちゃんにカッコ悪いところは見せられなかった」
その”おっちゃん”こと秀則さんは「いつも奏大の記事には『叔父が田上秀則』だという名前が出てくる。その名前が出てこないように、たくさん結果を出してほしい」と期待する。デビュー戦の好投により、次の登板も内定。将来はエース千賀のような存在になりたいという19歳は「チームが苦しい時、絶対に勝ちたいというゲームで、一番最初に名前が出てくるような、頼られる投手になりたい」と自らが進む道を思い描いた。
(取材=大和拓未/TNC「ももスポ」19日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」より)
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