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6年前はWBC辞退した大谷翔平 無念の声を聞いた侍小久保元監督「彼の中で大きなウエートを占めていた」
野球日本代表「侍ジャパン」元監督、ソフトバンクの小久保裕紀2軍監督(51)がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で21日(日本時間)に米フロリダ州マイアミで行われる準決勝に臨む侍ジャパンへの思いを口にした。
6年前の前回大会で監督として侍ジャパンを率い4大会連続4強。立場が変わりソフトバンクのユニホームを着てWBCイヤーを迎えた今年、16日夜に東京ドームで行われた準々決勝をテレビ観戦しながら当時の記憶がよみがえってきたという。
「あの時のことを思い出して、ちょっと胃のあたりがムズムズする感じがした。(画面越しに)アップになったときの選手の表情、栗山監督の目。全然(普段と)違っていた。負けたら終わりなので、何が起こるか分からない。ロースコアのスポーツほど考えもしないことが起こり得ますから」
3回、大谷翔平が意表を突く初球セーフティーバント。試合が大きく動くきっかけとなったこの場面は小久保2軍監督にとっても印象的だったという。
「シーズン中も結構、僅差の場面でやっていましたよね、シフトの裏をかいて。だからあり得る、起こり得るなとは思っていたけど、まさかこれだけ状態がいい、本人のバッティングの状態が最高の中でしたところに意味がある。調子が悪い時ならともかく、1次ラウンド(プールBの)MVP、状態が良いところでのバントだったので、より意味があるのではないかと」
前回開催の2017年は大谷にとって日本ハムでの最後のシーズン。前年の16年はシーズンMVP、チームも10年ぶりの日本一となり、日本中が「二刀流」大谷の一挙手一投足に注目している中で迎えたWBCイヤーだった。大谷も当然ながら侍ジャパンに入るはずだったが、右足首痛で辞退。小久保2軍監督は本人と話した際のことを鮮明に覚えている。
「残念そうというか、WBCに懸ける思いというのが伝わってきた。彼自身の中では人生の目標として大きなウエートを占めているということだったのでね。それが今回、押しも押されもせぬスーパースターとして、しかも二刀流のルールを変えるところまできての出場ですから。僕もうれしいし、一人のファン、応援団みたいな感じでワクワクしながら見ています」
源田に重ねた6年前の出来事「秋山がだぶって見えた」
大谷、ダルビッシュがそろってマウンドに上がり、苦しんでいた村上もタイムリー。結果はもちろん中身にも大きな価値があった準々決勝で、小久保2軍監督が注目した選手はほかにもいた。準々決勝から一夜明けた17日はプロ野球ウエスタン・リーグの開幕日。小久保2軍監督は「源田が骨折しながら出場した」と名前を挙げた上で、前回大会の出来事を重ねた。
「僕が(侍ジャパンの)監督の時の秋山(翔吾=当時西武、現広島)がちょっとダブって見えた。あの時は足の指を骨折しながら、結局東京ドームでの試合もアメリカでの準決勝もスタメンで使った。本来、骨折であればなかなかプレーは難しいけど、骨折した箇所によっては、本人がやれると思えばやれるんだと。それをきょう全ての(2軍)選手の前で話しました。決めるのは自分やぞ、選択権は自分にある、骨折だから駄目だっていう問題じゃない、骨折でもやれるところもある、と。昨日の源田の姿を見て感じたものがあるという話をしました」
準決勝から舞台は米国へ。環境の変化に加え、負けたら終わりという緊張感が漂うが、小久保2軍監督は「やっぱりダルビッシュが合宿の時からいてくれたということも大きかったと思う」とチーム最年長の存在を挙げながらまとまり、結束の強さに注目した。WBCが終わった8日後には日本のプロ野球が開幕する。自らの立場で侍ジャパンが盛り上げた野球熱を引き継いでいく決意も示した。
「おそらく今回、普段野球をあまり見ない方も見てくれているからこその(中継の)視聴率だと思う。僕らの仕事は1軍が勝つために、そういう組織になるために競争意識を芽生えさせること。競争を生まないと選手としては強くあり続けられない。自分が今何ができるかということを考えながら、応援したいと思います」
2月17日に侍ジャパンの強化合宿が始まってすぐ、同じ宮崎でキャンプ中の小久保2軍監督は栗山監督の下へ足を運びエールを送った。3大会ぶりの世界一まであと2勝。準決勝でメキシコと激突し、22日の決勝に進んだ場合は米国と対戦することも決まった。小久保2軍監督は「プレッシャーがかかるのは当たり前。何とか世界一奪還に向けて頑張ってほしい」と期待しながら見守っている。
(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」18日放送より)
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