工藤会ナンバー3 菊地敬吾被告(50)に無期懲役判決 市民襲撃など6事件 福岡地裁

2023年01月26日


市民を襲撃するなど6つの事件で組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた特定危険指定暴力団「工藤会」ナンバー3の男に、無期懲役の判決が言い渡されました。


判決を受けたのは「工藤会」ナンバー3の理事長で、中核組織「田中組」の組長・菊地敬吾(きくち・けいご)被告(50)です。

工藤会をめぐっては、トップの総裁・野村悟(のむら・さとる)被告(76)とナンバー2の会長・田上不美夫(たのうえ・ふみお)被告(66)が、いずれも市民を狙った4件の襲撃事件で組員らに指示し実行させた罪に問われ、福岡地裁は2021年8月、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役の判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、ナンバー3の菊地被告は2012年から2014年にかけて、野村被告らの指揮命令の下で実行された4つの市民襲撃事件のうち、福岡県警元警部の男性、看護師の女性、歯科医師の男性が被害に遭った3つの事件ほか、暴力団排除の標章を掲げたビルが放火された事件など、あわせて6つの事件に関与したとして組織犯罪処罰法違反の殺人未遂などの罪に問われています。

2020年12月から始まった裁判で、菊地被告は「身に覚えがありません」と起訴内容を否認し、弁護側は「関与を直接証明する証拠がない」などとして無罪を主張しました。

2022年1月の被告人質問では、元警部の男性が襲撃された事件について、次のように答えました。

<被告人質問>
弁護側「野村被告から指示を受けた?」
菊地被告「覚えてない」

弁護側「田上被告からは?」
菊地被告「ありません」

弁護側「あなたが指示した?」
菊地被告「ありません」

2022年6月の論告求刑公判で、検察側は「田中組の威信を誇示するため暴力的論理に基づく凶悪な犯行」「実行を決定し配下の組員に指示した首謀者」「いずれも一般市民である被害者を襲撃し、それぞれ瀕死の状態を負わせた刑事的責任は極めて重大」などとして、菊地被告に無期懲役を求刑しました。

判決公判は26日午後1時半から開かれました。

福岡地裁の伊藤寛樹裁判長は、3つの市民襲撃事件について「崇拝の対象である総裁・野村被告、大所帯の工藤会を率いる会長・田上被告は、組員との接点が限られる中、各事件を成立させられるのは、野村被告から田上被告、菊地被告と、順に経由するほかに見合うものは考え難い。菊地被告が野村被告、田上被告からの指示を受け、これを具現化して組員らに行き渡らせた事実を推認させる」と指摘。

また、標章を掲げたビルへの放火など3つの事件については「(組員らが)上位者の意向を無視して強行を繰り返すとは想像し難い。組員が独自に思いついたとは考え難い。菊地被告からの指示が存在したからこそ組員らが加害に及ぶことができたものと推認される」としました。

その上で、「(菊地被告は)加害行為の主力となった組員らが所属する最大二次団体(田中組)の長として組織の凶行に原動力を与え、また最上位者らの意向に基づいてその成就に尽力する立場から凶行に推進力を与え、重要な関与をしたと認められる」「反社会性、攻撃性および危険性等が著しく高度に達した重大な加害行為で、法が許容する上限近くの量刑が避けられない」として、求刑通り、菊地被告に無期懲役の判決を言い渡しました。

今回で工藤会のトップ3人の一審判決が出そろったことになります。

野村被告と田上被告は一審判決後、控訴しています。

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