福岡市東区の九州産業大学では、大学と短期大学、大学院合わせて２３８９人が卒業の日を迎えました。

卒業生には４年ぶりにマスクの着用を求めず、素顔で式に臨む学生も見られました。

コロナ禍でさまざまな制限の下、学生生活を送った卒業生たちは、それぞれの思いを胸に新たなスタートを切りました。

一方、ウクライナから日本に避難した学生を受け入れている福岡県太宰府市の日本経済大学で行われた学位記授与式には、戦火を免れ、ウクライナから来日した３８人の学生も出席しました。

このうち９人は、去年４月に来日し、２カ月後の６月に行われた母国での卒業式には出席できなかったため、１７日、ようやくハレの日を迎えることになりました。

答辞を行ったウクライナの学生は、日本で受けた支援に対して感謝の思いを述べました。

◆ウクライナ学生 代表　ポリナ・コルズニナさん
「ロシアによるウクライナ侵攻後、すぐに私たちを受け入れてくださり、１年間私たちの成長を願い、ご指導いただき、心より御礼申し上げます。この１年間のご支援や学びを胸に、より良い未来を切り開いていけるよう努力を続けてまいります」

このあと、ウクライナの学生が、日本での１年の学びを締めくくる修了式も行われ、母国で受け取ることができなかった学位記の代わりに、修了証が授与されました。

日本経済大学を巣立つ学生たちは、企業への就職や大学院への進学が決まっているということです。

◆ウクライナの学生　エリザベータ・ペトロヴァさん
「母国の大学の卒業式に参加できなくて、それはすごく残念なことなんですけど、似たような気持ちを感じることができてよかったです。今から入る会社は海外に関わる仕事が多いようなので、世界にも貢献したいと思っています」

ウクライナの学生たちは、１年間支え合い、共に学びを深めた仲間との別れを惜しみながら、新たな一歩を踏み出しました。