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退団から半年で同一球団に復帰 ソフトバンクが動いた「デスパイネ再契約」の背景
日本野球機構(NPB)12球団を退団した外国人が再び同一球団に復帰してプレーした例は過去にもあり、最近のソフトバンクではいずれも投手のジェイソン・スタンリッジ、コリン・レイなどがいる。スタンリッジは国内外の他球団でプレーした5シーズンを経て、またレイは家族の事情もありシーズン途中で退団した2021年のオフに復帰が決まったが、野手で退団翌年のシーズン前半に“出戻り”するのは珍しく球団としても異例の再契約となった。
右の大砲としてキューバ代表でも長く活躍したデスパイネは2014年途中に来日しロッテで16年までプレー。17年にソフトバンクへ移籍し、同年に35本塁打、103打点でタイトルを獲得するなど中軸で活躍した。球団は在籍7年目の今季も契約を検討したものの近年の成績や年齢などを踏まえ総合的な判断で新外国人獲得へシフト。契約満了で昨年12月公示の保留者名簿への掲載が見送られ自由契約となっていた。
同じくキューバ人で右打ちのグラシアルも退団した今季のソフトバンクは、開幕から外国人野手が不調。新加入のアストゥディーヨ(右打ち)、ホーキンス(右打ち)、2年契約の2年目を迎えたガルビス(両打ち)と支配下全選手に本塁打がなく、ホーキンスは開幕から一度も1軍昇格していない。日本選手でも正木やリチャードなど期待されていた右打ちの若手の調子が上がらないままま。昨年からの課題だった右の長距離打者不足は解消されておらず、シーズン後半の勝負どころを見据え球団も早々に新たな外国人の補強へ動いていた。
藤本監督は開幕前に今季の打順構想として、主軸である近藤、柳田、栗原の左打者3人の間に挟む形で「4番に右の外国人」と口にしていたが、一度も実現することなくここまで4番は栗原、柳田が務めている。球団はそうした現状と外国人が機能していない事情も踏まえ、過去の実績がありシーズン中の獲得にもリスクが少ないデスパイネにターゲットを定めて交渉を進めていた。
デスパイネは3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にキューバ代表として出場し4強入りに貢献。現在はキューバ国内リーグでプレーしており、来日して試合出場までの時間も多くを要すことはなさそうだ。6月17日で37歳になるとはいえNPB通算184発を誇り勝負強さは折り紙付き。日本野球を熟知する右の大砲が、3年ぶりの優勝を目指すソフトバンクに再び加わる。
(TNC「ももスポ」31日オンエアより)
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