佐賀県有田町で江戸初期から受け継がれてきた色鍋島。初期の色鍋島は赤を基調としていたが、十四代は様々な色使い、斬新なデザインで現代の色鍋島を生み出す。51歳の若さで重要無形文化保持者(人間国宝)に認定された。
十四代今右衛門は2年に一度、新作を集めた個展を全国で開いている。そのため、常に新しさを求め、発見し、形にしていく。個展には色鍋島の伝統に、現代の美意識を盛り込んだ作品が並ぶ。人間国宝、十四代今泉今右衛門。新しい色鍋島の世界を切り開く。
古い色鍋島は赤色を基調としていたが、十四代今右衛門は様々な色使いで新たな色鍋島を生み出す。時代とともに人々の美意識は変わっていくという。赤が好まれた時代があり、鮮やかな色が好まれた時代もある。その時代に求められる美意識を追求する。
十四代今右衛門は、これまで背景に使われていた墨はじきの技法を主役に抜擢した。墨はじきとは、墨で描いた部分が染付の絵具をはじき、白抜きの文様にする技法。美しい白を生み出す墨はじきの工程をのぞいた。
39歳で十四代今右衛門を襲名したとき、それまでの10倍の価格で作品が売れるようになったという。これは作品そのものでなく、名前に付いた値段だと自覚し精進を重ねる。その後、51歳の若さで人間国宝に認定される。歴史と名前の重さを語る。
佐賀県有田町の今右衛門窯で十四代今右衛門の最新作を見る。江戸時代から400年間受け継がれてきた技術に加え、新しいアイデアとデザインで独自の色鍋島を生み出している。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。3月の匠は、佐賀県有田町の十四代今泉今右衛門さん。様々な色使い、斬新なデザインで現代の色鍋島を生み出す匠の“志と技”、ぜひご覧ください!