古来より仏教美術や武具に用いられてきた金工の技。その伝統に西洋のジュエリー技法を融合させ、独自の世界を築き上げる彫金家。
廃刀令や戦争、近年の金・銀・プラチナなど材料の高騰と、時代の波に翻弄されながらも、彫金の技は静かに継承されてきた。有馬は技を「先人からの預かりもの」と胸に、未来へつなぐ。
これまで装身具を中心にオーダー制作を行ってきたが、師の死をきっかけに、現在は自分が作りたいものを制作。作品づくりには厳木町の自然にも影響を受けているという。新作「花筏」には、心を穏やかに保つ姿勢が映し出されている。
英国で美術を学び、帰国後ジュエリーデザイナーとなった有馬。金工家・泉公士郎との出会いが転機となり彫金の道へ。デザインから制作までを1人で行うスタイルを確立し、修正せず作り切る経験が次作への糧となる。
様々な金工の伝統技法で金属に命を吹き込む有馬。その「道具」となる数多の鏨(たがね)を駆使し生み出した作品によって、日常にハレをもたらすという匠の哲学が息づく。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。2月の匠は、佐賀県唐津市の有馬武男さん。日本古来より仏教美術や武具に用いられてきた「金工」の技。その伝統に西洋のジュエリー技法を融合させ、独自の世界を築き上げる彫金家。ぜひご覧ください!