これまでの放送内容
2009年5月3日(日)
なぜ息子が… ~健太さんの死が訴えるもの~
2007年9月25日午後6時頃。いつものように自転車で帰宅途中の青年が、自宅まであと少しの場所で、5人の警察官に“取り抑え”られ、直後に死亡した。青年の名は安永健太さん(25)。知的障害者だ。
障害者のスポーツの祭典、スペシャルオリンピックスに佐賀県から初めて日本代表に選ばれ、リレーで銀メダルを獲得した。警察は当初、安永さんが「車と車の間を縫うように自転車で車道を蛇行運転、パトカーの停止命令に従わず、信号待ちしていた原付バイクにぶつかり暴れたため“保護”した」と説明。安永さんを「精神錯乱状態と判断し、知的障害者とは分からなかった」と。安永さんは後ろ手に手錠をかけられていた。「死んで“保護”はないでしょう」と警察に不信感を募らせる父。「警察が、知的障害者と分かっていたら…」その言葉が重くのしかかる。
障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指すとした『障害者自立支援法』。この問題は、その受け皿が整っていないことも示した。二度と起こさないために…。障害者と見分けがつくように『ラベリング』を…。いや、逆に犯罪に巻き込まれてしまう…。苦悩を続ける施設関係者。知的障害者への理解を深めてもらう活動は、今も続く。
安永さんが亡くなって1年が過ぎた頃、一通の封書が届く。遠く離れた東京・町田市の知的障害者の母からだった。そこには、安永さんの死を二度と繰り返さないために作った『SOSボード』が。「安永さんの死は無駄になっていない…」と。
制作局:サガテレビ(STS)

2009年4月26日(日)
オレは街角の宣伝屋 ~ちんどん屋に人生を捧げる37歳~
賑やかな音楽を奏でながら、街中で宣伝を行うちんどん屋。戦後の日本では、よく見かけた光景だったが、最近はめったにお目にかからなくなった。
その仕事を今に受け継いでいる「かわち家」の河内隆太郎さん(37歳)。
長崎でちんどん屋「かわち家」を開業して10年を迎える今年、河内さんは日本全国のちんどん屋を招いてそのパフォーマンスを披露する、大きなイベントを企画した。果たして成功するのか?ちんどん屋を一生の仕事と言い切る河内さんの思いを伝える。
ナレーション 川波美幸(KTNアナウンサー)
ディレクター 荒木陽子
制作局:テレビ長崎(KTN)

2009年4月19日(日)
「空気」の向こう側 福岡から世界へ 映像クリエイター・江口カン
福岡市の住宅街の一角に、歯科医院を改造したビルが建っている。 此処に今、全国に、そして世界に注目される映像制作会社がある。
その制作会社は「空気」「空気」は、CMディレクター、CGクリエイターなど、社員数は15人。それぞれが、選りすぐりのクリエイター集団なのだ。「空気」を率いているのは、福岡市在住の映像クリエイター「江口カン」41歳。彼は、「JR九州」「日清食品」「森永製菓」といったスポンサーの誰もが一度は目にしたことがあるCMを制作している。この他にも、去年は、スポーツメーカーのWEB上での映像でカンヌ国際広告祭で銅賞を獲得。国内では、ACC CMフェスティバルで金賞を獲得するなど、地方発の映像クリエイターとしては異例の評価を得ている。彼の仕事の多くは、東京でのCM制作だが、最近は、CM以外にも短編映画や長尺のWEB映像など活動の場所が広がっている。彼は、今、真剣に地元・福岡を中心に活動しようと思っている。「東京ばかりが、日本じゃない。福岡にいても、東京のクリエイターと充分戦える」と常々力強く語っている。彼の夢は…福岡から全国へ、世界へ情報を発信したい。現在、福岡のスタッフで制作し、福岡のキャスティングで撮影し、福岡のメディアから福岡にむけた情報を発信するには、どうしたらいいか模索中だ。東京でのCM撮影風景を追いかけながら、福岡では、「新しい情報発信の道」を見つけようと奮闘する姿を追いかけたい。
江口カンの代表作
NIKE「Escort」カンヌ国際広告賞2008ブロンズ
N.Y.フェスティバル2008シルバー
第12回文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品
JR九州「黒豚横丁」 第47回福岡広告協会賞 金賞
日清食品「どん兵衛」
コカコーラ「ジョージア・女スパイ」
JR九州「TSUBAME」
HAWKS「ベースボール・スパーリング」
他多数…
制作局:テレビ西日本(TNC)
