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これまでの放送内容

2012年9月9日(日)

柿右衛門になるということ

磁器発祥の地「有田」で400年近く続く名窯「柿右衛門」。いずれ受け継ぐ大名跡を、どのような思いで、その名を、父を見つめているのか。若きリーダーの姿を追う。

磁器発祥の地、佐賀県有田町。その中でも、「柿右衛門(カキエモン)」は、1640年代に日本で最初に色絵磁器を完成したといわれ、400年近く続く有田の名窯だ。長崎から輸出された柿右衛門の色絵磁器は、ヨーロッパで最高の評価を与えられ、その名は今も憧れとともに語られている。当代、十四代(1934年生まれ)酒井田柿右衛門さんは、今は亡き十二代、十三代とともに、江戸後期に廃れたといわれる乳白色の「濁手」素地を復興し、今日、人間国宝として名工の誉を受ける。現在、一人息子の浩(1968年生まれ)さんと共に、職人の共同制作体制で、濁手による柿右衛門様式を守る重要無形文化財「柿右衛門製陶技術保存会」を率いている。20年前に比べ売り上げが1割近くにまで落ち込んでいる有田焼。この窮状の中、どのように栄光に彩られた伝統を後世に伝えていくか。有田の代名詞「柿右衛門」への期待は増すばかりだ。数年前から、父の命を受け浩さんが取り組むのが、有田泉山の陶石を100パーセント使った磁器の復興。原点回帰を図る挑戦だ。そうした中、十四代が病に倒る。闘病生活の中、後継者の浩さんにすべてを伝えようとする十四代。いずれ継ぐことになる柿右衛門の大名跡。浩さんはどのような思いで、その名を、父を見つめているのか。父は何を息子に伝えようとしているのか。400年の伝統を生きる、若きリーダーの姿を追う。

出演者:【ナレーション】 下村麻貴 協力:柿右衛門窯 九州陶磁文化館 有田町歴史民俗資料館

制作局サガテレビ(STS)

次回放送内容

OA:2025.12.07(日)

戦後80年、今年も終戦の夏を迎えた。熊本県八代市坂本町鮎帰(あゆがえり)にある西福寺(浄土真宗本願寺派)の山本隆英住職(87歳)は、その節目にちなんで或る企画を進めていた。夏の法要と合わせて行う戦時資料の展示会だ。布教本、聖典、教団からの手紙、さらに旧陸軍省からの感謝状などお寺に残されていたものだ。この中で、往時の軍国主義を窺わせる象徴的なものが在る。紙芝居の中で、お寺の副住職に赤紙(召集令状)が届く場面は『天皇陛下のお召しだったのであります』と紹介されている。戦意高揚を謀り、教団が国にがんじがらめに宗教統制されている様が垣間見える。戦争を賛美する資料の数々、山本住職は展示会でこれらと戦没者の家々を回り撮り溜めた遺影を紹介した。お寺に法要に来た門徒らは悲痛な面持ちでムラの戦争を感じ取っていた。満州事変に始まり日中戦争から太平洋戦争へと突き進んだ日本は、この十五年戦争で約310万の国民が犠牲になった。ムラでは105人が戦死したと云う。兵隊の命は“一銭五厘”と言われ、ハガキ(召集令状)の値段と同じ値打ちしかないと軽視されたのである。あの戦争から80年、日本人は何を学んだのか。終わりが見えないウクライナ紛争や台湾をめぐる情勢など、世界各地で平和が脅かされている。日本人の誰しもが願っているのは、日本が再び戦争への道に向かわないことだ。番組は、国策に抗うことなく戦争協力していった教団の過去の事実に目を向け、懸命に反戦を唱える山本住職の一念に迫る。

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