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これまでの放送内容

2014年3月23日(日)

祈りのモチーフ~画家 宮崎静夫~

今でも絵を描き続ける戦争体験者の画家・宮崎静夫さん。戦争の不条理さを問い続ける彼の揮う作品への執念に迫る。

熊本市の自宅にアトリエを構える画家の宮崎静夫(86)さんは、今日もキャンバスに向かい絵を描き続ける。ライフワークとなっているのが“死者のために”シリーズで、作品を通して戦争の不条理さを問い続けることだ。宮崎さんが戦争と云う時代の奔流に呑み込まれていったのは、1942年阿蘇の山村から満蒙開拓青少年義勇軍として大陸(満州)に渡った15歳のとき。その後、日本の敗戦とともに、戦後は捕虜となり極寒のシベリアで収容所暮らしを送る事になった。旧満州とシベリアで目に写ったものは病気や飢えで息絶えた仲間たちの十代の死。戦争を知らない世代が増え、平和の尊さが薄れてきている現代、戦争体験者の記憶は平和な未来へ引き継がれる日本人の財産かもしれません。番組では、宮崎さんの鎮魂の想いに触れ、時代に殉じていった青春群像に心を寄せながら、筆を揮う作品への執念に迫る。

出演者:宮崎静夫さん 満蒙開拓青少年義勇軍出身者 【ナレーター】 尾谷いずみ(TKUアナウンサー)

制作局テレビ熊本(TKU)

次回放送内容

OA:2025.12.07(日)

戦後80年、今年も終戦の夏を迎えた。熊本県八代市坂本町鮎帰(あゆがえり)にある西福寺(浄土真宗本願寺派)の山本隆英住職(87歳)は、その節目にちなんで或る企画を進めていた。夏の法要と合わせて行う戦時資料の展示会だ。布教本、聖典、教団からの手紙、さらに旧陸軍省からの感謝状などお寺に残されていたものだ。この中で、往時の軍国主義を窺わせる象徴的なものが在る。紙芝居の中で、お寺の副住職に赤紙(召集令状)が届く場面は『天皇陛下のお召しだったのであります』と紹介されている。戦意高揚を謀り、教団が国にがんじがらめに宗教統制されている様が垣間見える。戦争を賛美する資料の数々、山本住職は展示会でこれらと戦没者の家々を回り撮り溜めた遺影を紹介した。お寺に法要に来た門徒らは悲痛な面持ちでムラの戦争を感じ取っていた。満州事変に始まり日中戦争から太平洋戦争へと突き進んだ日本は、この十五年戦争で約310万の国民が犠牲になった。ムラでは105人が戦死したと云う。兵隊の命は“一銭五厘”と言われ、ハガキ(召集令状)の値段と同じ値打ちしかないと軽視されたのである。あの戦争から80年、日本人は何を学んだのか。終わりが見えないウクライナ紛争や台湾をめぐる情勢など、世界各地で平和が脅かされている。日本人の誰しもが願っているのは、日本が再び戦争への道に向かわないことだ。番組は、国策に抗うことなく戦争協力していった教団の過去の事実に目を向け、懸命に反戦を唱える山本住職の一念に迫る。

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