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これまでの放送内容

2014年3月30日(日)

半泊の祈り~五島・限界集落の夏~

5世帯9人が暮らす五島の小さな集落・半泊(はんとまり)。そこには、200年続く祈りと暮らしがあった。限界集落、ひと夏の半泊をみつめる。

日本の西の端、五島列島福江島。その北側に、5世帯9人が暮らす小さな集落、半泊(はんとまり)がある。過疎化は進み、子供はいない。半泊は限界集落だ。7年前、廃校になっていたかつての分校に、人が住みはじめた。そして、宿泊施設としても活用するようになった。東京から移住してきた濱口孝さんと妻よしのさんがこの分校に暮らす。半泊の里山の風景が気に入り、田舎暮らしを楽しみはじめた7年前。濱口さんは、半泊の200年を超える祈りの歴史を知った。同時に、過疎化により、200年の祈りの灯が消えそうになっている現実を見た。集落の象徴、半泊教会に向かい、住民たちの祈る姿が日常の光景として見られる。濱口さんは限界集落を考えるようになった。祈りの灯を消さないためには…。その1つの答えを半泊での観光に求めた。自らガイドになり、歴史や自然環境を伝える“学ぶ観光”をはじめた。7年経ち、今は年間約1000人の観光客が来るようになった。濱口さんは観光の先に、あるものを見ている。妻と手を取り合い、その答えを求め続ける日々。番組では、住民の暮らしを描きながら、そこに流れ続ける半泊の祈りを見つめていく。ひと夏の限界集落、半泊を描く。

制作局テレビ長崎(KTN)

次回放送内容

OA:2025.12.07(日)

戦後80年、今年も終戦の夏を迎えた。熊本県八代市坂本町鮎帰(あゆがえり)にある西福寺(浄土真宗本願寺派)の山本隆英住職(87歳)は、その節目にちなんで或る企画を進めていた。夏の法要と合わせて行う戦時資料の展示会だ。布教本、聖典、教団からの手紙、さらに旧陸軍省からの感謝状などお寺に残されていたものだ。この中で、往時の軍国主義を窺わせる象徴的なものが在る。紙芝居の中で、お寺の副住職に赤紙(召集令状)が届く場面は『天皇陛下のお召しだったのであります』と紹介されている。戦意高揚を謀り、教団が国にがんじがらめに宗教統制されている様が垣間見える。戦争を賛美する資料の数々、山本住職は展示会でこれらと戦没者の家々を回り撮り溜めた遺影を紹介した。お寺に法要に来た門徒らは悲痛な面持ちでムラの戦争を感じ取っていた。満州事変に始まり日中戦争から太平洋戦争へと突き進んだ日本は、この十五年戦争で約310万の国民が犠牲になった。ムラでは105人が戦死したと云う。兵隊の命は“一銭五厘”と言われ、ハガキ(召集令状)の値段と同じ値打ちしかないと軽視されたのである。あの戦争から80年、日本人は何を学んだのか。終わりが見えないウクライナ紛争や台湾をめぐる情勢など、世界各地で平和が脅かされている。日本人の誰しもが願っているのは、日本が再び戦争への道に向かわないことだ。番組は、国策に抗うことなく戦争協力していった教団の過去の事実に目を向け、懸命に反戦を唱える山本住職の一念に迫る。

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