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これまでの放送内容

2021年8月23日(月)

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追憶の影~「無言館」命の声が聞こえる~

戦没画学生が遺した画の一枚一枚に秘められた人生、そして遥かな青春の影は今の私たちに何を問いかけるのでしょうか…

 長野県上田市に『無言館』と呼ばれる私設の美術館があります。展示されているのは、画家を志すも先の戦争で逝った若い画学生たちの遺作の画です。その中に同じ作者が描いた二つの作品が目を引きます。【静子像】と【裸婦(デッサン)】。その作者は佐久間修、モデルとなったのは妻の静子でした。
 旧制御船中学校(熊本県)から東京美術学校(現東京芸大)で画を学んだ佐久間は、卒業後、美術教師の職を得ます。妻となる静子とは、周囲の反対を押し切り結婚しました。子宝にも恵まれ4年間の結婚生活は幸せを実感出来る充実した日々でした。無言館にある【静子像】と【裸婦】は、その頃制作したものでした。
 運命の歯車は回り始めていました。佐久間は、太平洋戦争末期の昭和19年、旧制熊本県立宇土中学校の美術教師に着任し程なく学徒動員で生徒300人の引率を任されます。そして、動員先の長崎県大村市の飛行機工場でB29の空襲を受け命を落としました。29歳の若さでした。佐久間が遺していったのは、妻の静子と2人の幼い我が子、それに2枚の画でした。
 佐久間たち戦没画学生が遺した画の一枚一枚に秘められた人生、そして遥かな青春の影は今の私たちに何を問いかけるのでしょうか。

出演者:野見山暁治(洋画家) 窪島誠一郎(無言館館主) 佐久間正昭(北九州市) 佐久間伸一(御船町)

制作局テレビ熊本(TKU)

次回放送内容

OA:2026.06.21(日)

戦後80年、今年も終戦の夏を迎えた。熊本県八代市坂本町鮎帰(あゆがえり)にある西福寺(浄土真宗本願寺派)の山本隆英住職(87歳)は、その節目にちなんで或る企画を進めていた。夏の法要と合わせて行う戦時資料の展示会だ。布教本、聖典、教団からの手紙、さらに旧陸軍省からの感謝状などお寺に残されていたものだ。この中で、往時の軍国主義を窺わせる象徴的なものが在る。紙芝居の中で、お寺の副住職に赤紙(召集令状)が届く場面は『天皇陛下のお召しだったのであります』と紹介されている。戦意高揚を謀り、教団が国にがんじがらめに宗教統制されている様が垣間見える。戦争を賛美する資料の数々、山本住職は展示会でこれらと戦没者の家々を回り撮り溜めた遺影を紹介した。お寺に法要に来た門徒らは悲痛な面持ちでムラの戦争を感じ取っていた。満州事変に始まり日中戦争から太平洋戦争へと突き進んだ日本は、この十五年戦争で約310万の国民が犠牲になった。ムラでは105人が戦死したと云う。兵隊の命は“一銭五厘”と言われ、ハガキ(召集令状)の値段と同じ値打ちしかないと軽視されたのである。あの戦争から80年、日本人は何を学んだのか。終わりが見えないウクライナ紛争や台湾をめぐる情勢など、世界各地で平和が脅かされている。日本人の誰しもが願っているのは、日本が再び戦争への道に向かわないことだ。番組は、国策に抗うことなく戦争協力していった教団の過去の事実に目を向け、懸命に反戦を唱える山本住職の一念に迫る。

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