”5球団競合右腕”6年目のプロ1勝へ エース千賀が指摘した田中正義の課題「真面目だから陥りやすい」

2022年01月23日

 ソフトバンクの田中正義投手(27)が23日、福岡・筑後のファーム施設で自主トレを公開した。新任の藤本監督の下、まずはプロ初勝利を目指す6年目右腕は「一年間、先発ローテーションで回れるように」と目標を設定した。

 5球団競合のドラフト1位で入団しながら未勝利。期待されながら故障もあり殻を破れずにいたが、昨年は自己最多の18試合に登板して開花のきっかけをつかんだ。先発転向を目指す今年に懸ける思いを示すように、年明けの自主トレではエース千賀に弟子入り。沖縄・宮古島でいずれも開幕投手経験者の千賀、石川らとかつてないほど濃密な時間を過ごした。

 「毎日、千賀さん、石川さんの意識の高さについていけるようにと思ってやっていた。すごくいい刺激を受けさせていただきながら、必死に頑張りました。投球フォームについて考える時間が長くて、質の高いもので、自分のフォームについて詰めて考えるようになった」

 この日、同じく筑後で自主トレを公開した千賀は田中について「持っているものはすごいし性格も真面目」とした上で、課題を指摘した。「だからこそ陥りやすいじゃないが、もっと自分の能力を信じてあげていいのかなというのが第一印象。真面目な分、自分に不安感がある。それはいいことだけど、最初からチャレンジするより頭を整理しないとチャレンジできないタイプ。その辺が正義自身のいいところであり、能力に対して足を引っ張っているんじゃないか」と指摘した。

 この言葉を聞いた田中はこう受け止めた。

 「 そう言っていただいてありがたい。自分自身を信じられるような取り組みをしていこうと思います」

 今年の先発候補には実績ある千賀、石川、東浜、和田、再加入の外国人レイなどが挙がるが、藤本監督は田中や大関、板東ら昨年まで主に中継ぎだった若手の名前も出して競争をあおっている。実績のない選手にとってはハードルは高いが大きなチャンスでもある。田中は「三振のとれる変化球、カウントを取れる変化球をテーマに練習していきたい。自分の体をコントロールして、それを投球に変換していけるように」と決意を口にした。

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